赤髪ナイトと泣き虫プリンセス

□あいつの唯一できる事
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日曜日の昼過ぎ、ミキが俺の家に来ていた


と言うよりコイツを無駄に野放しにすると余計に事態が悪化するから俺が迎えに行ったんだけどな




今日は部活が午前で終わったからそのまま迎えに行っただけで手間ではなかった




シャワーを浴び終わってリビングに来た俺はキッチンから漂ういいニオイで腹を鳴らす



腹減った





丸井「ミキまだーーー?」





『まだーー!』





リビングから叫べばキッチンからは残念な返事で帰って来た


その返事でまた腹が鳴った



クソ、こんな事ならもっと長くシャワー浴びてるんだったぜ!!υ






ドカリとリビングのソファーに座る俺はテレビをつけた



時計を見れば2時30分前


昼は過ぎている為、全然面白そうな番組やってねぇ……



つまんねー……つか、暇







『あ゙、大変だブン太君ーーー!!』




ビクッ


丸井「Σは?υ」



キッチンからの叫び声に何事かと立ち上がって

長い距離でもないが走って向かった







丸井「Σどうかしたかよぃ?!υ」


『Σ生クリーム買うの忘れた!υ』




ガクリと肩と頭が下がったのは言うまでもない



叫ぶな……そんな事で叫ぶなっ…υ




『せ、せっかくショートケーキ作ろうとしたのに

ケーキが台なしだ……』




目に涙が浮かんでいるミキ




丸井「あー、泣くな泣くな…υ」




そう、今日ミキが家に来た理由はケーキを作り


オーブンを見れば俺のケーキがランプに照らされながらも頑張って膨らんでいる発展途中



あー腹減った。



ミキのケーキは何故か何処のケーキよりも数段旨い


勉強も運動もダメダメなミキは料理だけは抜群



コイツがキッチンに立ってる姿を見れば


人間どんな奴にも取り柄がからなずあるんだな


と毎回思い知らされるぜ




それにしても、ショートケーキには生クリームは必要だろぃ…




丸井「俺が買いに行って来るからお前はケーキ見てろぃ」



財布を持って玄関へ向かう俺



ミキが玄関までついて来る




『ブン太君ごめん』


丸井「お前はキッチンから無駄に動くなよぃ

すぐ戻って来るからジッとしてろぃ」





玄関を出る俺は走った



ちょっと外は暑かったがケーキの為なら頑張れた

























ガチャ



丸井「ただいまー」



パタパタパタパタ


『お帰…《ガッ》わっ!υ』




トサッ



また転びそうになったミキを袋を持ってない右腕で受け止めた




丸井「だから、走るなって言ってんだろぃ(-"-;)」




「走るな」この言葉をここ数年1番使ったランキングがあったなら

俺は確実に上位キープ者だ


それでも学習能力のないミキは言っても言っても

数分後には、また同じ事をする




『ビックリしたー』




目をパチクリさせるミキ



毎日ビックリしてるのは俺だって




丸井「早くケーキ作ってくれよぃミキ
腹減って死ぬって」


『はーい』




俺の手から生クリームの入った袋を受けとったミキは中へ歩いて行った




受け止めた時改めて思ったけど


やっぱ小っせぇな……




















 ──20分後…──










『ブン太君出来たー!』




丸井「待ってたぜ!!」




キッチンから呼ばれて飛んで行く俺









丸井「うまそーーっ!!」


『リビング運んでー!』


丸井「任せろぃ!!」



ワンホールの綺麗にデコレーションされたケーキを持ってリビングへ向かった



ミキにはホーク2本と小皿を一つ持たせた


















『ブン太君…これ…υ』


丸井「特別サービスだぜ(笑)」




ミキの皿にワンホールの4分の1カットをのせた




『デカイ……υ』


丸井「女がデカイって言うなって…υ」




ずっと一緒にいたせいか、若干ミキは俺の言葉遣いがうつっちまったようで

多少の引っ掛かる言葉を使う時がたまにある




『これ…絶対残す…υ』


丸井「安心しろぃ、残したら俺が食ってやっから(笑)」





日曜日、俺の幸せタイムの始まり




















(ワンホール食ってもまだ欲しいケーキ)



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