華鬼

□プロローグ
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「俺と付き合わね?」
















付き合わない











「好きなんだけど…お前のこと」













そうなんだ















「キスしていい?」













嫌に決まってんでしょ















「木陰いかね?」














何する気だコラ















「いつ付き合ってくれんの?」












一生無いね
















「僕じゃダメ?」













ダメ

















「俺のモノになってよ」











嫌だ


































小さな時から





“男”に好かれる私






逆に女の子の友達は一人もいなかった













頼りになるのは母親だけ









お母さんは大好き…



















ガチャッ…



『ただいまー』



母「元気が足りないぃ〜!!どうしたの!!何でもお母さんに言ってごらん!?v

おぉっと!!テストがダメでしたって言うのは無しね!!」




『Σ誰もテストの話なんかしてないけど!?υ』























ちょっとふざけたお母さんだけど










『ただ疲れただけーυ』







自分の部屋に行こうとする私は2階の階段を上がる










明日で私も16歳だ






流石に16にもなると誕生日を嬉しいけど

喜ぶと言う事が素直に出来なくなりつつある





























うん……今ツンデレとか思った奴、違うから







Σだってそういう歳でじゃん!!?υ




まだまだ子供だけども!!




親から少し離れてみようかなー…とか思ってみたりするんだよ!!




そんな事を地味に考えていたら2階の自室に着く







学校に友達なんかいないし出来た事がないわけで




別に楽しくもないんだけど




家に帰るとお母さんもいて、馬鹿を言いあったりして








私は幸せ者だな…





とか考えたりもする










おっと、実は私には父がいません!







いやー…多分いたんだろうが、ん?死んだんだっけ??





あんまり興味がなく、覚えてない







まぁいいか(笑)







そんなこんなで、私は16年間元気に幸せに暮らして来た訳で





それはやっぱりお母さんのおかげで






なんか……こう






感謝してますっ!!!





と言う訳で、明日私の誕生日だけども、お母さんに何かお礼をしようと思う





『夕飯でも作ればいいかなー』





窓を開けて呟いたら風がふいてきた





一瞬だけ前髪がなくなる







『よいしょっと!!』




窓に足をかけて屋根に登る







屋根は私の大好きな場所だ







前の道路を歩く愚民共を見下ろす事ができるし!






何より、夜に登ると星がいつもより近く感じるから





大好きだ










これが私の幸せの日常










屋根の上に座っていると風で髪が目に入った






痛い(泣)





手鏡を持って目を見ると

鏡の端にチラつく赤い痣









生れつきある鎖骨らへんの痣






私は結構気に入っている








まるで花のような









真っ赤な私のお気に入り












私は屋根で目をつぶった








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