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□☆天羽 翼☆
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俺は星月学園に入って、ぬいぬいに生徒会へ入れられた。
その時は、ほっといて欲しかった。生徒会になんて入るつもりは無かった。誰とも馴れ合うつもりなんて無かったんだ…。
だけど俺は、生徒会で人と触れ合う楽しさを知ってしまった。
知らないようにしてきたことを知ってしまったんだ。

それ以来、俺は一人になるのが今まで以上に恐くて、人の温もりが恋しく、求めるようになったんだ。
生徒会の皆は優しいし、居心地がいい。
そんな中、皆との差を壁を感じる。

ぬいぬいは親父で横暴だけど、いつもかっこよくて、皆の憧れ。
そらそらは怒ったらとっても恐いけど、いつも完璧でなんでもこなす。
書記はこの学園のたった一人の女の子だけど、そんなの気にせず頑張ってる頑張り屋さんで皆の華。

俺だけ置いてかれている気がする。皆が遠く感じる。追い付けない…。「まって…。ひとりに、しないで…。」自分でも気付かないうちに小さく呟いていた。
そしたら、いつの間にか機械を弄る手が止まっていた。
そんな俺に気付いた皆は声をかけてくれた。
「どーした、翼?泣きそうな顔してるぞ。」
「何かありましたか?翼くん。」
「どうしたの?翼くん、大丈夫?」
俺は、俺を心配してくれる皆に堪らなく嬉しくなって不安が爆発して、大きな声をあげて泣いたんだ。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そしたら、皆は少し困った顔をしたけど、俺の気持ちなんてお見通しなのかすぐに笑顔で優しくて暖かい言葉をかけてくれたんだ。
「翼、お前は一人じゃねーんだぞ!!俺達はお前を置いてったりはしない。何時までも待ってやる。」
「不安や心配、悩み事なら僕達に言って下さい。相談にのります。」
「私達は、ずっと翼くんと一緒だよ!!」
その言葉を聴くと“ふっ”と暖かいものに包まれた。
ぬいぬいは俺を抱き締め、そらそらと書記は俺の頭を撫でてくれた。
俺は、追い付かなくても、ずっと皆といたいと思った。勿論、皆が待っててくれるから、必死に追い付こうとはするけれど。
そして、しばらく涙を流した俺は、落ち着くと少し控えめに、だけど満面の笑みで笑った。



「ありがとうなのだ。」



Fin…

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