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□何度でも、言いますよ?(静正)
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「静雄さん!!」正臣は、静雄を見かけると声をあげ、走りよる。
「あっ、紀田。」静雄が、声をあげた瞬間トン。と正臣が抱きついた。
正臣は、静雄に抱きついたままそっと顔をあげて、笑う。
「静雄さん。久しぶりですね。」
「あ、あぁ。」静雄は、少し固まる。
いくら静雄でも、正臣が自分を好いていることぐらいわかる。
だからこそ、恐くなる。
こんなにも、好いてくれる人を壊してしまったらーーー。と。
静雄も、正臣を好いている。だからこそ、不安は大きく積もる。
ーーー壊したくないーーー
「静雄さん?どうかしましたか?」固まる静雄に問う。
「あっ、いや大丈夫だ。」少し反応が、遅れる。
「静雄さん…。もしかして、またあのこと考えてたんですか?」正臣は、少しふてくされるが、笑ってでも真剣に、言う。
「何度でも、言ってあげます。俺は、壊れませんよ。そして、静雄さんは、絶対に俺のこと、壊しません。」
「紀田…。ありがとうな。」と、静雄は微笑んだ。
静雄が、そっと正臣の頭をなでると、正臣はやわらかい笑みを見せた。