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□あなたが、君が、悪い。んです。(臨正)
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「臨也さん!!どういうことですか!?」臨也の家の扉が乱暴にあけられた。

臨也は、見透かした顔をして「そろそろ、来るころだろうと思ってたよ。」と言った。
正臣は、顔をしかめながら問う。
「どうして、俺とまったく同じ人がいるんですか?」
「さぁー。ドッペルゲンガーじゃない。」軽く冗談まじりに、言う。
「そんな訳ないでしょ。ドッペルなら、俺はもう死んでます。教えて下さい。」正臣は、真剣に問う。
それでも、臨也は笑って、さぁー。とはぐらかす。
そんな臨也に耐えかねた正臣は、怒鳴った。
「臨也さん!!」

臨也は、ため息をはいて答えた。
「クローンだよ。正臣君のクローン。」
「なんで、そんなの作ってるんですか…。」正臣は、汗をたらしながら犯罪ですよ。と言う言葉を飲み込んだ。

「君が冷たいから、新羅に作ってもらったんだよ。正臣君のものなら、いつでも手に入るしね。」嫌な笑みを浮かべる。
正臣は、冷や汗をかき「それ、は……。臨也さんが……………い、臨也さんは、俺より、俺の、クローンの方が、いいん、ですか…………。」と言った。
その時、正臣の目からは、涙がこぼれていた。

「!!ちょっと…正臣君!!泣かないでよ。そんなの決まってるじゃないか。クローンは偽者で、正臣君じゃない。」
「ふぇっ?」間抜けな声がでた。予想を反した答えだった。
「お、俺、臨也さんに嫌われてるんじゃ…」
「どうして、そうなるの?俺がいつ、嫌いっていった?」
「う、嘘。だって、女の人とくっついて歩いてたし、俺のクローンだって、俺へのいやがらせ…」正臣が言い終わる前に、臨也は正臣の言葉をさえぎった。
「ちょっとまって!!女の人は、俺の妹で、クローンは正臣君が冷たいから、つくったんだよ!!」と、驚いた顔で言ったが、心では(クルリとマイルの奴、後で殺してやる。)と思っていた。

「い、妹?」妹がいること自体知らなかった正臣は、嘘かと思ったが、臨也の表情から、本当だと断定できた。
「正臣君?まさか、俺の妹に嫉妬して…」
その瞬間、正臣の顔は真っ赤になった。
「臨也さんのバカァーッ。」真っ赤な顔を手で覆いながら言い放つと、ふわーと暖かいものに包まれた。

顔を、覆っていた手をどけると、すぐ近くに臨也の顔があった。

そうー。抱きしめられたのだ。

正臣が「臨也さん?」と尋ねると、臨也も、顔をほんのりそめて正臣の耳元で、囁いた。
「正臣君かわいすぎ!!クローンなんて作ってごめん。後で、新羅になんとかしてもらうよ。」
臨也は、力いっぱい抱きしめて、言葉を付け足す。
「大好きだよ。」
そんな臨也を、正臣は軽く抱き返し、「俺も、臨也さんのこと………」
少し、間をとってから、臨也を見上げ笑顔で言葉を返す。


「大好きです。」
 

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