仔狐シリーズ

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 この街に来て一年が過ぎた。

 朝起きて、会社に行く。

 休みの日は一人でのんびり過ごしたり、友達と出かけたり。

 そんな相変わらずの日々。

 こんな《普通》の日常が

 私は、ずっと欲しかった−−





 さあ

 新たな物語を始めよう










***





甘「みなさん知ってますー?最近話題の《切り裂き魔》!」

田「あー、昨日もニュースになってましたね」

セ「今度も池袋だったらしいですね。怖い怖い……」

甘「あの首無しライダーとどっちが怖いんでしょうねww」

セ「…………」

田「普通に切り裂き魔でしょ(笑)黒バイクの人はそんなに危なくないと思いますし……」

セ「そ、そうですよね……!」

甘「あれー、なんかセットンさん焦ってません?」

セ「………」

田「?」

セ「それはそうと、話は変わるんですけどー」

甘「スルー!?(°□°;)」

田「アハハ!」

セ「ここに、私の友達を誘ったんです。あ、事後承諾ですみません」

甘「いーえ大歓迎です!あ!もしかして、セットンさんの恋人ですかかぁ?」

セ「えーっと……そろそろくる時間なんですけど」

田「またスルーww」

甘「セットンさんが苛めるー!ww」

田「ほどほどにしないと怒られますよww>甘楽さん」


−−仔狐さんが入室されました


田「お!噂をすれば……?」

仔「初めまして、仔狐です。セットンさんから紹介してもらいました」

甘「仔狐さん初めまして!甘楽ちゃんでーす!」

セ「待ってたよ〜(^o^)/」

田「初めまして、田中太郎です」

仔「みなさん、よろしくお願いします」

甘「セットンさんと仔狐さんはリア友なんですか?」

セ「そうですよ〜」

仔「池袋にきて、初めて出来たお友達です」

田「へー、仔狐さんも池袋の方なんですか」

甘「ここの人達は、みんな池袋の周辺に住んでるみたいなんですよー☆」

セ「考えてみたらすごい偶然ですね」

仔「……それは本当に《偶然》なのでしょうか?」

田「??」

セ「どういう意味?」

仔「みなさんが《ここ》に集まったのは、何らかの《意志》が働いた結果だとしたら−−」

仔「または《そうなること》が、最初から決まっていたのだとしたら−−」

仔「もし《ここ》で出会わなくても、別の場所で同じように出会うようになっていたとしたら−−」

仔「それは《偶然》といえるでしょうか?」

田「……なんかスケールの大きい話ですね」

セ「《何か》って何だろ……宇宙人だったら嫌だな……」

仔「ふふふ、冗談ですよ。ただ世間は狭いねって話です」

田「ああ、なるほど」

セ「も−!ビックリした(笑)」

甘「仔狐さんって、面白い方ですね!」

仔「いえいえ、甘楽さんも凄い方だと伺ってますよ」

甘「えー!セットンさん何ていったんですかぁ?例えば…甘楽ちゃんが可愛いとか?」

セ「それはない( ̄∀ ̄)」

田「自画自賛(笑)」

甘「二人とも即答!?ヒドいですよおー!プンプン!」

田「あ、ちょっと電話がきたんで今日はオチます」

田「では、また!」

甘「彼女からですか……って、もういないかな?」

仔「お休みなさーい」

セ「おやすー!」


−−田中太郎さんが退室されました。


セ「あ、すみません。私も相方に呼ばれたんで……仔狐さんは、どうする?」

仔「甘楽さんがよければ、もう少しお話したいです」

甘「キャー!ご指名ありがとーございまーす(≧∇≦)今夜は寝させませんよ〜」

セ「(笑)……それじゃあまた」

仔「お休みなさい」

甘「あぁん!仔狐さん無視しないでくださいよう!」

甘「セットンさん、お休みなさーい!」


−−セットンさんが退室されました。





***





内緒モード・甘楽
【……キミ、紫ちゃんでしょ?】

内緒モード・仔狐
【ご機嫌よう、折原さん。よく分かりましたね】

甘【キミこそ、何で俺だって知ってるの?】

仔【そこは秘密です。ついでに《田中太郎=帝人君》ですよね?】

甘【なるほど……さっきの話は、ワザとだったわけか】

仔【ダラーズの創始者と首無しライダー。この二人が、貴方の管理するチャットルームに参加しているなんて《偶然》……あるわけないですよ】

甘【……まあ、そうなるね。じゃあ紫ちゃんは、ここでも俺が何かを企んでると思って釘を刺しにきたわけだ】

仔【確かに、折原さんが色々と悪巧みしてるのは知ってますが、別に釘を刺すとかでは……】

甘【ちょっと《色々》って何!もしかして……紫ちゃん俺のストーカー?】

仔【あまりふざけたこと言ってると、クラッキングしますよ】

甘【キミが言うと怖っ!】

仔【今ならもれなく、オリジナルウイルスが付いてきます】

甘【……なんか紫ちゃん、リアルで話すより攻撃的じゃない?三割増しぐらいに】

仔【それは……折原さんの気のせいです。被害妄想はイタいだけですよ】

甘【気のせいじゃないよね!?】

仔【……冗談です】

甘【……キミの冗談は、正直笑えない】

仔【人と直接話すのが苦手なんです。こうやって電話やパソコン越しの方が楽ですね】

甘【えー、あれだけシズちゃんと普通に会話してるくせに】

仔【まあ……同僚ですからそれなりには】

甘【この前もデートしてたんだって?】

仔【デートじゃないですよ。私なんかが相手だと、平和島さんに悪いです】

甘【えー、それって逆じゃあないの?シズちゃんにキミの方が、もったいないって!なんなら今度俺とデートする?】

仔【………】

甘【あれ………紫ちゃん?】

仔【準備が出来ました。これからウイルスファイルを送ります】

甘【は?え、ちょっ…!?】

仔【なお、パソコンに届くとオートで起動しますので、ご覚悟を】

甘【ごめんなさい、俺が悪かったです。許して下さい】

仔【………】

甘【紫……ちゃん?】

仔【………】

甘【おーい】

仔【……冗談です】

甘【……本当にキミの冗談は笑えないから】

仔【ところで、折原さん】

甘【何だい?】

仔【何でネカマなんですか?気持ち悪いです】

甘【今更そこ!?】

仔【あ、すみません。つい本音が……甘楽ちゃんって可愛いですねー】

甘【遅いからね!?もう本音聞いちゃってるからね!?】


通常モード・仔狐
「明日も仕事なので、今日はこれで失礼します」

仔「甘楽さん、楽しいお話をありがとうございました」

仔「では」


−−仔狐さんが退室されました


甘「仔狐さんまた来て下さいねー!」

甘「あ、ちょっと遅かったみたいですね」

甘「甘楽ちゃんも、今日は寝ます!おやすみなさ〜い☆」


−−甘楽さんが退室されました


−−只今、チャットルームには誰もいません


−−只今、チャットルームには誰もいません


−−只今、チャットルームには誰もいません


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