拍手SS

□独占欲
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君が、僕だけのモノになれば…
他には何もいらないのに…――。






独占
((日本刀→ロッド))








「おっす、刀!」
「やぁ、おはようロッド」


元気な君は相変わらず。
数ヵ月前まで三年以上眠り続けていたなんて、信じられないくらいに。


「今日俺と刀、一緒だってさ」
「へぇ…他には?」
「二人だけ。久々に宜しくなっ♪」


笑顔が可愛い。
その人懐っこい仕草も。


「コチラこそ宜しく」
「てかさ、刀と二人だけで任務って初めてだよな〜?」
「そうだね…凄く楽しみだよ」
「俺もっ♪ヘマすんなよー?」


ふざけて、じゃれ合って…そんな二人だけの時間は凄く心地良い。


「あ!ヤベっ、ツォンさんに報告しなきゃ」
「…早く行った方が良いよ。ツォンさん、気が短いから」
「だな!じゃあ刀、また後でなっ!」


そう言って僕の元から離れていく君。


本当は縛り付けてでも、君を僕の所に置いておきたいけど…。


「ふぅ…」


小さく溜め息をついて、再びデスクに向かった。





――暫くして、少し離れた所から聞こえる笑い声。


「―……」


その中心に居たのは、やっぱり君だった。





僕だけに向けたはずの笑顔を、君は他の誰にでも同じように見せるんだね。


――許せないな…。




愛しているのに、君が憎いなんて…これは歪んだ愛情?



僕の醜い嫉妬。
黒い欲望の塊。



――胸が苦しい。
もう長く自分を保てない。




だから早く、僕の元へおいで…。



今の僕じゃなくなる前に。




僕じゃない僕は、きっと君には止められないから。




だから、ねぇ…




「――…ロッド!」




一秒でも早く、僕のモノになってよ…。




取り返しのつかなくなる前に…――。




END.




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