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□想い想われ振り振られ
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想い 想われ 振り 振られ
((レノロド))










「あ…ニキビ」
「え?」
「ココ」


レノはロッドの髪を掻き上げ、そっと触れてその存在を知らせる。


「あー…ホントだ。コレ結構デカくね?」
「少しな、と」
「ひゃー…格好悪…;;」


そのニキビを撫でながら、ブツブツと文句を言うロッド。
そのロッドが嫌がるのを承知で、レノはまたロッドを茶化してやろうと考える。


「なぁ、知ってるか?」
「…?何を??」
「前に女子に聞いたんだけどな、ニキビって出来る場所によって意味があるんだとよ」
「へぇ〜どんな?」


興味津々な目を向けるロッド。
レノはニヤリと笑って話を続ける。


「まず、デコのニキビは"想い"。お前が誰かを想ってるって事。次に顎のニキビは"想われ"。誰かに想われてるらしいぞ、と。で、右頬は"振り"。誰かに告られても断る可能性あり。最後は"振られ"。コレは"振り"の逆だから好きなヤツが居ても告んない方が良いな、と」
「へー…そんなのがあるんだ」
「らしいぞ、と。……ってー事はロッド君?」
「煤cぎくっ!」


あからさまにレノの声のトーンが変わり、不審に思うロッド。


「な、…何だよ」
「そちらのニキビは一体誰を想ってるのかな〜?と」
「うるせぇなッ!!」


ロッドは額のニキビを手で隠しながら怒鳴り付ける。


「明日には俺の顎にニキビがあるかもな〜、と」
「ないッない!勘違いするなー!!」
「照ーれるなって☆」
「照れてねっつの!……ん?」


ふとロッドはある事に気付いた。


「あ〜…Vv」
「?…な、何だよ…?」


じりじりとレノに近づく。
そして、レノのシンボルとも言えるゴーグルを奪い取った。


「なっ…何してんだ、かーえーせーッ!!」
「ふっふーん♪ココ!!」
「は?」


今度はロッドがレノの額を指差す。


「……げっ;;」
「ソレは何ですか〜?レ・ノ・先・輩?」
「やっ……コレは;;」
「あー…どうしよう俺!明日顎にニキビが出来たら絶対レノに狙われてるって事じゃんッ!!」
「………;;」


たじろぐレノにロッドはふふん、と鼻で笑う。


「ごめんなさい、は?」
「ご…ごめんなさい、と」
「宜しい」


立場が全く変わってしまったこの状況が可笑しくて、ロッドは笑う。
少し沈んでいたレノも、つられて笑った。





――次の日。


二人の顎にはニキビは出来なかった。

でも――…



「「あっ」」


代わりに、二人の鼻には小さなニキビ。




鼻のニキビ。

それが意味するは…――、



両想い。



END.


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