短編

□曇り空、のち。
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あなたに笑ってほしかった。
せめて、一度くらい。



















オレといて、幸せなのだろうか。








それは長く思い続けていたことだった。"恋人"という関係はあくまでも肩書きで、実際はオレの一方通行の想いだけに過ぎなかった。



だって、オレといる時に目に映るあなたはとても楽しそうには見えなかったから。


それでもいつも何かを期待して
モノクロなんかじゃない
色づいた明日を毎日想い描いた。


そんな日々を繰り返しながら
もう10年という月日が経とうとしていた。

















「……ヒバリさん」

「何?」

「ヒバリさんは、オレといて幸せですか?」



長く思い続けた疑問は
静まりかえった夜の闇に儚なく響いた。
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