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□CHE.R.RY
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(現代パロ)



[17時には帰るって言ったくせに]



時計がもうすぐ19時を示す頃。頭にきた私はそんなメールを彼に送信する。携帯をテーブルに置いて突っ伏すと、すぐに着信があった。



{降雪で止まっていた電車が復旧したんだが、人が多くてしばらく見送っていた。今ようやく乗った、あと15分くらいだ。}


「…はぁ?何本見送ったらこんな時間になんのよ…」



私の神経を逆撫でしたいとしか思えない文面に苛ついて、私は晩ご飯のつまみのチーズをひとつ口に入れ、また返信した。



[お腹空いて死ぬ…飛んで帰って来いっ]


{…無茶を言うな…。}



返信早っ、とか思いながら。窓の向こうの真っ暗な空を見つめる。きっと彼がいる街はまだ灯りがあって明るいんだろうけど。



[今日はハンバーグだけど、明日の夜は何がいい?]


{何でもいい。}



何でもいいが一番ムカつくの、あいつ知らないのかな?せっかく電車の中退屈だろうと思って私がメール仕掛けてやってんのにさ、あんたがメール発展させないでどうすんのよ。



[シチューとグラタンだったら、どっち?]


{どちらでも構わん。}



あ、もう完全に頭きたよ、コレ。ハンバーグお前の分まで食ってやろうか、この野郎。確かにホワイトソースで2択にした私にも問題があったかもしれない、が、しかし。さすがにダメでしょ、その解答じゃ。



[…もう知らない。先に寝てやる]


{…それは、駄目だ。}


[…なんで、]


{…何でも、だ。}



なんか、急に吃りだしたな。何だかんだ言って、彼も私からのメール嬉しいんじゃないのかな、なんて。ただ、寂しいのは私の方だってのに。

私が返信しないでいると、立て続けに彼からメールが。



{待っていて、ほしい。}



「………」



寂しさ見透かされたような、なんか包み込むような、なんか不思議な1通だった。私は小さく微笑みを零すと、彼を不安にさせないよう、すぐに返信してやった。



[…早く帰っておいで、馬鹿]


{今、飛んで帰ろう。}


「…ぷっ、何だそりゃ…」



小さく吹き出してから、窓へと視線を移す。さっきは真っ暗だった空に、小さく光る星がひとつ顔を出していた。














CHE.R.RY


(指先で送る、君へのメッセージ)










「CHE.R.RY」
♪YUI





20121209


遅くなりましたが、

HAPPY BIRTHDAY*うるきおら!





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