FFZ
□唄ってみよう!
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『ツォンさんただいま!』
ドアを開けて早々に挨拶をしたクミ。その時パチリと見覚えのない女性と目が合った
「あなた誰ですか!?はっ!まさかツォンさんの隠し子!?ツォンさん!誰なんですか!?どこの女ですか!?今すぐに制裁を下してきますぅぅぅぅぅ!!」
「ちょっと落ち着け。イリーナは知らなかったな。彼女はレノの隠し子だ」
「いや、違いますから」
「なんだ!そうでしたか!」
「こら!何納得してんだよ、と」
騒いでいるイリーナにツォンは一喝した
ツォンはボケてみたのかは知らないが冗談を言えば今度はレノからの一喝を浴びる。イリーナはイリーナで納得していた。
『は、はじめまして!イリーナさん』
「な…」
『え?』
「何この可愛い生き物…!!」
『え…えぇぇぇ!?』
たじろきながら言うクミに何かのスイッチが入ったイリーナだった。
「レノ先輩の隠し子にしては凄く可愛いですね!」
「まだひきずってんのかよ」
まだ言うイリーナにレノは再びイリーナに一喝する。
その後"違うんですか!?""当たり前だろ!"という声が聞こえた。
どうやらレノの誤解は解けたらしい。
「それにしてもクミたちはもう帰ってきたのか?」
『はい!マス…レノが唄わせてくれるの!』
ツォンの質問に対してクミはきちんと答えた。
「あ、この馬鹿を相手にしてる場合じゃなかったな、と」
「誰が馬鹿ですかー!?」
そう言うイリーナに対してレノはイリーナの方へ指をさした。
『レノ!私のデータをパソコンに移させて頂きました!』
「え、早くね!?」
『ページの都合…いえ、なんでもないです』
「……………」
裏話をしてしまいそう(した?)クミにみんなの目線が移る。
「私早くクミの歌声聞いてみたいです!」
「よし、クミ」
『はい!』
そう言ってクミはパソコンの方に向かっているレノのところに着いた。
「クミの歌ってみたい歌はあるか?」
『歌いたい…』
ポツリとクミは歌ってみたい歌を考えた。
『…ココロ…!』
中間でさえも唄えなかったあの唄をクミはもう一度唄いたかった。
「よし、スタートだぞ、と」
『はい、』
そして私の耳に当てられているヘッドホン越しから流れる前奏…
私は聞き慣れたはずなのになぜか緊張が高まっていた。