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□会いたくなかったよ
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「なんッスか」

『………?』


先ほどからドナの視線に感じたティーダは痺れを切らしたのかついに声をかけた。


「なんでもないわよ!この先に行けなくてどうするのか考えていただけよ!行きましょバルテロ!」


そう言ってドナはこの場を去っていった。

「この先に行けない?」


「何かあったのかな?」

『……………っ…!』


この先に進めば沢山の人が死ぬ。
それを思い出した葎は白の方に視線を向けた。


『……白…。』

「………………」

彼の目は語っていた。
これだけは回避できないことを。避けられない運命ということを。


「ごめん。」

『なんで謝る?』

「僕は君に特別の力を授けるなんて能力なんてものはない。」


白は言いにくいのか押し黙った。
葎も白を責める必要はないということで葎もただ俯いた。

『最善を尽くすよ』

「うん!」



「これはこれは、ユウナ殿ではないですか」

『!!!!!!!』


葎はまるで大きな音にびっくりしたような猫みたいになった。
そしてとっさに身構えた。


「おや、葎殿も」

「葎も老師様を知ってたの?」

『まぁ、うん』

ニコリと良い笑顔を浮かべるユウナに葎曖昧な表情を浮かべた。


「お会いしたかった。」

『ギャァァァァァァァ!』


ギュッとシーモアは葎の手を握った。
そして、今まで大人しかった葎もとうとう叫び声をあげた。
そんな葎をシーモアは愉しそうな笑みを浮かべていた。
ユウナはどうすれば良いのか分からずオロオロしていた。



『っ!?』
「!」


葎は不意にグイッと誰かに引っ張られた。
それはしかめっ面をしているティーダだった。
意外な人物にシーモアは驚いた表情をしていた。


「葎に触んな」

ギロリとシーモアに睨みつける。
しかし、シーモアは効かないようだった。シーモアはフッと笑みを浮かべ諦めたのかユウナの方に顔を向けた。


「そういえば、お困りのようで?」

「あ、その、」

チラリとユウナはどうしても通してくれない門番の方を見やる。


「それならお任せ下さい。」


そう言ってシーモアは門番の方へと歩んだ。

「老師様は何を…?」

「シーモア老師やっぱかっこいいな」

ワッカはシーモアに尊敬の意を込めた目でシーモアを見ている。


「…あいつは大丈夫なのか?」


アーロンの言うあいつとは葎のこと。
全員が葎の方に顔を向ければ唖然としていた。



「葎ー?」

ヒラヒラと葎の前で手を降る、が無反応だった。
ティーダがやってもやはり無反応だった。
ちなみに現在葎はティーダにほぼ抱きつかれた状態だった。



「葎ー?」

子供の姿になっている白はバシバシと葎を叩きながら起こそうと頑張った。



「なかなか起きないッスね…」


こいつ本当めんどくせぇ


「「「「「「!?!?」」」」」」


白の豹変にティーダ達全員が驚いた。



ごめんなさい。白様

そう言って瞬時に葎は土下座した。



「起きた!?」

「白君凄い!」

ティーダとユウナが感動している中白は優越感に浸ったとか。


「ほら、あんた達。老師様が通して下さったわ。行くわよ」


「は、はい!」


そう言って4人は駆け足でルールーたちのところに行った。






(君に止められるはずがない)

『…っ…!?』


バッと葎は足を止めて後ろを振り返った。

「どーした?」

『あ、いや。行こ』

そう言って葎は再び歩き始めた。






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