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□会いたくなかったよ
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『うわ、石粒の跡が見事に足に綺麗に残ってる』


オマケに葎の足は痺れてフラフラと覚束ない足取りだった。

「葎、大丈夫?」

心配そうな表情を浮かべてユウナは葎に話しかけた。
そんなユウナに葎は、大丈夫と言って笑って見せた。


『うぉ?』

葎の周りにワラワラとチョコボが集まりだし葎は不思議そうな表情を浮かべた。


「クェー」


チョコボはスリスリと葎の顔にし始めた。


まさかノミじゃないよね?

「それはチョコボなりのお礼をしているんですよ」

『お礼?』

「はい、先ほど一匹のチョコボのために貴女はあのチョコボイーターに立ち向かって仇をとって下さったので。」

そう言ってリンはチョコボ達を見やる。
葎は照れくさそうな表情を浮かべてチョコボを撫でる。チョコボは気持ちが良いのか目を細めた。

「よろしかったら今回は特別にチョコボにタダで乗せますよ」

『本当に!?よっしゃぁ!』


早速仲間に知らせるために葎はみんなのところへ向かった。







「でっけー」


ティーダがチョコボの背中に乗りながら感動していた。
他のみんなもチョコボの大きさに感動していた。
…一人を除いて。


『しゃがんでよ!』

「クェー」

『そっぽ向くなー!』

いつまで経ってもしゃがむ気配がないチョコボに葎はチョコボと口論(?)していた。
そんなチョコボと葎にみんなは微笑んでいた。

『なんでみんなのチョコボはそんなにいい子なんだよー』

「人を見るんじゃないんッスか?」

ガッカリしている葎にティーダは茶化す。

『ティーダうぜー』

満面の笑みで言ってやればティーダは心にダメージを負ったらしい。

『チョコボー…おっ!?』

悲しそうな声を出せばチョコボはサッとしゃがんだ。


『なんだー!わかっているチョコボじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

葎が乗ったと共にバビュンといった効果音と共にチョコボと葎の姿は消えた。

「「「「「葎ー!?」」」」」

仲間の声が響きわたった。
そして一斉にティーダ達は葎を追いかけるためにチョコボを走らせた。


「大丈夫ッスかねぇ」

「心配?」

「葎の事だからどこかで落ちてそうなんだよ」

「確かに!」

「笑い事じゃないッスよ!?」


クスクスと笑い合ってるティーダとユウナにルールーたちは微笑みながらその光景を見ていた。



「「あ!?」」


「どうしたの!?」


ティーダとユウナの声にルールーがいち早く反応した。
ティーダとユウナの目の前には、いつかに会ったドナとバルテロ、そして葎がいた。
葎は顔面衝突をしたのか転げ回っている。
端から見れば変人この上ない。


「葎!大丈夫…?」

『し、死ぬ…』

「待ってて!ケアル!」

ユウナが心配して声をかければ泣きながら葎は傷むところを押さえていた。それでも血はダラダラと流れ出ていた。
ユウナはすぐにケアルをかけてあげた。


『ありがとう…(二度とチョコボになんて乗らん!)』

「どういたしまして!」


うっすらと涙を浮かべ心の中で誓いながらユウナに葎はお礼を言った。
ユウナはニコリと笑って応えた。
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