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□プロローグ
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『…………。』
やはり一人になると寂しさが急激に襲ってくる。
俺の両親は、中学1年の時に他界してしまった。高校生になるまでは父親のお姉さんに引き取られていた。
正直その暮らしには何不自由なく生きていけたが流石に高校生になると厚かましく思われそうだったので一人暮らしを始めた。最初は恐怖というものが感じられなかったがいざとなると寂しさと恐怖に襲われた。
しかし、またお世話になるわけにはいかず俺は我慢して今まで生きてきた。実は今も怖いが…
『…ただいま…』
俺はぼーっと考え事をしていた為いつもより早めに家に着いたような気がした。
返ってもくるはずがないと分かっていても俺はポツリと“ただいま”と呟いた。
俺が中に入って自分の部屋に向かった時だった。
…チリン…
『……!?』
鈴の音がしたのでとっさに後ろを振り向いた。しかしそこには何も変わったことは無かった。
『な、なんなんだよ…』
恐怖に覆われていたのが更に恐怖に覆われた。
あぁ、心臓の鼓動が早いなぁ
俺はゴクリと唾を飲み込み一気に階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込んだ。
真っ先に電気をつけ辺りを見回したがなんの変化もなく、俺は安心してその場に座りこんだ。
『ははっ…何ビビってんだよ…俺…』
乾いた笑い声を挙げながら俺は1人事を呟いた。正直俺はまだ恐怖に覆われていて心臓が今にも飛び出しそうな勢いで跳ねていた。
しかし、その安心は束の間に過ぎなかった。