ED後:聖なる焔の光の誓い

□4.謝罪
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 ユリアシティ―――。




 

 

 グランコクマから船で到着した一行は、ユリアシティのティアの家の側にある、セレニアの花畑にやってきた。



 

 

 ヴァンの墓はそのセレニアの中に立てられている。

 だが、それは石だけのもの。ヴァンの身体は音素乖離を起こし消えてしまった。きっと音譜帯に昇っていっただろう。

 ルークたちは墓を前に祈りをささげる。

 何故、あんなことをしたのか。きっと誰にももう、判らないのだろう。
 だが、皆がそれぞれの信念で戦った。そして破れ、命を落とした。
 それはルークにだって判っている。


 だけど……。


 ルークはヴァンの名が刻まれた墓石に向かって心の中で語りかける。




 本当にこれしかなかったのか?

 守りたいものはなかったのか?



 問いかけても答えは返ってこないけれど。





 

 

 

 今の自分にできることは、この勝ち取った世界を、より良く、そして生まれてしまったレプリカたちも幸せに暮らせるような、そんな世界になるように努力していくしかない。
 自分が殺してしまったたくさんの命。その罪を償うためにも……。



 

 

 祈りを捧げ、ルークは立ち上がる。

「ティア、ガイ……行くぞ」
ルークはミュウの身体を抱き上げ、自分の肩に乗せた。
「アッシュさんはいいですの?」
「一人のほうがいいだろ? なぁ……アッシュ」
自分よりも、きっとアッシュはヴァンに対して複雑な思いを抱えているだろう。だから、少し一人になる時間があるほうが、気持ちが整理できるのではないかと思ったのだ。
「……ああ」
頷いたアッシュにルークは微笑んで、ティアとガイの肩を叩いて促す。
「ほら、行こうぜ」
「ええ」
「そうだな」
2人が歩き出すのを見送ってから、ルークはアッシュの肩を叩く。
「俺たち、テオドーロさんのところにいるから」
「ああ、わかった」
表情は固いままだったけれど、アッシュは頷いた。

 

 ルークはそのまま踵を返すと、歩き出した。
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