リトルアンカー

□存在する光
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まだ………

まだ、失くしてない。



小さな、光を。
お前を…―――――――



******



此処に、居る。



この腕の中に、在る。



雪乃は、俺の腕の中に収まっている。

生きている。
心臓の音、聞こえる。



「………ん………」



雪乃は、冷たくない。
あったかい。

ちゃんと生きている音が聞こえる。



もし……
今、この時。

雪乃の心臓の音が止まって、息するのも止まって、動かなくなったら。



きっと、びっくりする程冷たくなるんだろうな。



「…………俺が、守ろう…」



決めた。

俺は、こいつを一生守る。



愛しい、愛しい俺の雪乃。
もう、何処にも行くなよ。



「…………っくしゅん……」



寒いのか……?



「…んん……」



ぎゅうっと、雪乃の躯を抱き締める。



「……キレイな顔…」



キレイな躯に、キレイな心。



時々、こいつを汚したくなってしまう。

でも、やっぱり雪乃はキレイなままなんだ。


「……な、ぎ…と……」

「………」



…違う、男の名前?
馬鹿……。

あぁ、馬鹿だ、お前は。



「………っ……」



唇と唇、重ねて。



「………んっ…」



ピクリと躯が動く。

お前の声に感じる。
心に響いて、もっとしたくなる。



「…はっ…」

「んぅ……」



啼いたら、とても可愛くて。
犯ろうかって思った。

けど、止めた。

寝込みのとこ犯しても可哀想だし。
嫌われそうだと思ったから。



「な?雪乃…」

「すー…」



おでこにキスする。



「やっぱり、甘いにおい…」



花の香り。
もっと好きになる。

だから、もう一度…――――



「雪乃…」



聞いてる?



「お前の香りに、酔ったよ…」



雪乃にキスした。







お前の躯、抱き締めて。

力を入れれば折れてしまいそうで。



唇と唇、重ねて。

お前の啼く声に感じてしまいそうで。





もう、離さない…―――――――――







End

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