刻ヲ超エテ

□にわ
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―――アレンside




『あーもうっ!ラビってば、油性で書くなんてっ!!』




アレンはラビに油性で書かれてしまった顔を一生懸命消していた。



『綺麗になりましたかね…』



アレンはタオルで顔を拭くと鏡を見た。



『…やっぱり、映るんですか?過去に来た、今でも…』



アレンは鏡に手を付け、自分にしか見えない黒い物体を見つめた。




『0…番目』



そして、その物体が言っていた番号を言った。




『君は何なんだ?』



アレンがそう聞いても物体はゆらゆらと揺れるだけだった。




『やっぱり答えてくれないんですね…』




アレンは鏡に付けていた手を強く握った。




『リナリー達に言えませんね、この事は…








もう4年は隠してますね…』




アレンは付けていた手を離し、次は手を洗った。



『何で、僕にしか見えないんだろうね。

君は…






何者なんですか?』



アレンがそう聞いても黒い物体は何も答えない。




『ふふっいつか、話せる日が来るといいですね。初めて出会った時のように』



アレンは笑うと、『またね』と言い、洗面所から離れた。








――――――
――――――――



トコトコ


トコトコトコ




『何かお腹が空きましたね…』



グゥウ



アレンは歩きながら、お腹を抑えた。



『食堂に行こうかな?』



アレンはそう呟き、食堂に向かった。





『(にしても、カンダ…)』



アレンはさっきの神田を思い出した。




『(僕の顔見て笑いやがった(怒)』



そして何故か怒り出した。



だぁーーーっっ!
確かに僕の顔はラビのせいで変顔だったよ?だけど、笑う事はないだろーっ!!』



アレンは頭を抱え、いきなり叫んだ。

端から見れば、『変な少年』と言えるだろうが、偶然にも…
いや、幸運にも誰も廊下を歩いていなかった。




『しかも、鼻で笑いやがった!』



アレンは目を炎に変え、背後に鬼が現れた。




『ふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ』



そして、壊れたように笑い出す。




『いいでしょう…
認めたくありませんが、僕は短気ですからね…
カンダ…お前のその笑い、僕を馬鹿にした事とみなし、挑戦ともみなしましょう…』



アレンはそう言うと、食堂に行った。




『カンダをギャフンと言わせるのが楽しみだなぁ♪』


と、呟きながら…











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