刻ヲ超エテ

□いちわ
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――ここは仮想19世紀


崖の上に建てられた建物の中で、「室長」と呼ばれる者が何かを造っていた。


「ちょっと、コムイさん!室長室で物騒な物を造らないで下さいよ!」

「いいんだよ〜。仕事しながらなんだからさっ!」


コムイと呼ばれる仕事は鼻歌を歌いながら、コーヒーを飲む。

部下の言葉は完全に無視だ。


「コムイ室長っ嘘付かないで下さいよ〜!何か造るかコーヒー飲むかをしてるだけでしょうが!」

「…リーバーさんも大変ですね」

「おーアレン、分かってくれるか…」


リーバーと呼ばれた人はアレンと言う少年の肩に手を置き疲れた顔で言った。


「ってか、コムイさん…僕と神田とリナリーとラビを呼び出して何なんですか?」


いやな予感しかしないのは何故でしょうと何処か遠い目でアレンは聞く。


「ん〜?リナリーはコーヒーを注いでもらうためでぇ…」


そこまでの言葉でアレンと神田と言う青年とラビと言う青年はやはりと何かを察知した。


君らは実験台だ、よっ!!


ガチャン


そう言いながらコムイが用意したのは出来立ての機械。


「でぇえぇぇ!!?」

「チッ…コムイッ!!」

「ちょっ!何のご冗談!?」


機械を向けられた三人は戸惑うような素振りを見せる。

そんな三人を見もせずにコムイは三人に向けて



ドォオン



撃った


うわぁああぁあ!


コムイの機械兵器に見事に当たってしまった三人は煙りに包まれてしまった。


が…




「ゲホッケホッ」

「コムイ、てめぇ…(怒」
「喉がいでェ…ゲホッ」


三人は煙りの中から普通に出てきた。


「…………失敗か」

「ちょっと、コムイさん!?」

「六幻…抜刀!!」


謝りもせず、寧ろ残念そうにするコムイに怒りが爆発しそうな神田。


「ち、ちょっと、待つさ!」


しかし、それをラビが止めた。本来ならば、ラビも怒っていいのだが…


「あ"?」

「ユウ…あれ…」


止められた事もあり機嫌が悪い神田に構わず、ラビは晴れた煙りの方を指す。


そこにいたのは…


「…僕?」


アレンに似た小さい男の子だが、


「あれ?でも小さいしペンタクルがない」


「…わ、私?」


リナリーに似た小さい女の子だが、


「小さいし髪が短いわ…団服も何か丈夫だし…そもそも私、兄さんの機械に当たってないし…」


「俺、か?」


神田に似た小さい男の子だが、


「刀が二本だと…?」


「お、れがいるさ」


ラビに似た小さい男の子だが、


「いやでも、眼帯の方向が違うさ…それに団服だけじゃねえ、皆イノセンスが…」



四人に似た、しかし何処か異なっている全く同じ名前の少年少女が19世紀に


 あ ら わ れ た






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