君のその手を

□17章:寒い日の必需品。
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そしていつものようにギューっと抱き締めれば、『帰って来た』という安堵感に包まれる。




あー…あったけぇ…。




ホカホカした体温が心地好い渚の身体。


いつも俺が両脚に挟んで暖めてやってる冷たい足先も今日は暖かい。




まぁあのくらいスッポリ入ってたら当然か…。




すると渚が俺の腕の間から顔を上げて言った。




「せんせ…あったかい?」


「ん…?あったかいぞ?」



「…なら良かった。」


「は…?…何が?」












「…いつもあっためてもらってるから…私があっためてあげたくって…コタツにもぐって先生を待ってたの…。」











『いつの間にか寝ちゃってたのは予定外でしたけど』と、ムフフと苦笑いしながらゴソゴソと小っちゃい身体を丸めた渚。



“ソレ”に衝動を抑えきれなかった俺は渚の顔を掬いあげ、その唇に口付けた。




「んっ…」


「可愛いコト言ってくれんじゃねぇか…。」








俺を“あっためたい”だって?





「オマエは暖かい…。コタツなんかにもぐんなくてもな…。」




だから最近朝方は特に離せねぇんだよ。


だけどその理由は“暖かい”だけじゃない。





「私も…先生暖かいからギューってしてもらって寝るの大好きです。ぐっすり眠れるもの。」



「……。」





ソレってただ単に物理的に“暖かい”っていう理由じゃ…。


“湯たんぽ”と対して差が無ぇんじゃね…?



俺が言いたいのは、“精神的”に、っつーコトであって…





解釈に困惑してると、また渚がモジモジしだした。








「だってね、その…湯たんぽだけじゃ足りないんです…寒くはないんだけど…先生いないとやっぱ寂しくて…。」














『だから待ってた』









渚は小さな声でそう言って顔を俺の胸元にピタっとくっつけ、完璧に顔を隠してしまった。




あぁもうコイツは…


何でこんなにも簡単に…





「うん…。遅くなってゴメンな…。」





俺を“暖める”コトができんだろーな…






フルフルと頭を横に振る渚の頭を抱え込んで、髪を優しく指で梳きながら撫でてやると、少ししてから寝息が聞こえ始めた――。







特別なモンなんて必要無ぇんだ――



俺はいつだって渚といる時は“暖かい”――


この“胸の中心”が。





身体だけじゃなく心も“暖かい”んだ。





俺はただ渚が側に居てくれるだけで





朝に目覚めた時、隣に渚が居るだけで





ただそれだけで“暖かな幸せ”を感じてンだから――。











∽∽アトガキ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

寒くなってきたので“こたつネタ”です(^_^;)
“人肌恋しい季節”にはやっぱりくっつきたいですよね〜(笑)
で、足先を暖めてもらうんですよ、元親さんに\(^^\)あぁ最高っ…(~Q~)


↓よろしかったらお願いしまっす



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