君のその手を

□17章:寒い日の必需品。
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「オイ…いい加減起きろって…風邪ひいちまうぞー。」




先程声を掛けても起きなかった渚は少しほっといて、自分は冷えてしまった身体を温めようと風呂へ入り再びリビングへ戻ってきたのだが、同じ“亀”体勢のまま寝ていた渚。




これ以上はほっとけない。

ほっとけば多分朝まで寝てるだろう。


ユサユサと渚の肩を揺らすと、やっと渚はうっすらと目を開けて俺を見上げた。





「む…アレ…?寝ちゃってた…?先生…おかえりなさーい…。」



目を擦りながら眠そうな目をしてニヘっと笑い、起き上がろうとしたが、




ガンッ!!


「痛っ!!」

「馬っ鹿だな…。」




首までコタツに入り込んでたのを忘れていたのだろう。

“甲羅”に背中をガツンとぶつけて、その痛み故にまた床に沈んだ渚。

結構な勢いでコタツが浮いた為、ミカンがゴロゴロと転がってった。




「せんせぇ…help me…」

「ほんっとオマエは…。」





こーいうトコはほんっとヌケてんだよな…――。




呆れながら溜め息を吐き、ズササ…というカンジで渚の両手を掴んで引っ張り出した。

何とも間抜けな光景。








「ホラ、寝っぞ。」


痛がったワリには覚醒しきっていない顔のまま、ふわぁ…と盛大なアクビをしながら背中を摩ってた渚の手を取り、手早くリビング内の電気や家電のスイッチを消して寝室へ――。




冷えないウチに…とベッドへ渚を押し込み、自分も横に滑り込んだ。









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