君のその手を
□13章:情熱の赤、冷静の青。
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毎晩のように渚を抱いてるせいか、日に日に“感度”が良くなっている気がする。
みるみる艶が増し、見下ろす渚の姿にいつも欲情させられ煽られる。
“声”とともに吐かれる吐息でさえ飲み込みたくなる衝動に駆られ、打ち付ける律動に堪える渚の苦し気ともとれそうな表情も俺を昂らせる。
“名前”を呼ばれただけで、何故あんなにも胸が高鳴るのか分からない。
熱を孕んだ眼差しでキスをねだる渚が可愛いくて仕方ない。
ギュッと全身で絡まれ、“求められる”コトが嬉しくて堪らない。
そしていつだって俺の全てを受け入れてくれる。
果てるまで何度も――。
渚もよく俺についてこれるよな…。
今日だってお互い普通に日勤してきて、渚は飯作ったり片付けや洗濯などもしているから疲れていないハズはないのに、ホントの“最後”まで付き合ってくれる。
でも、さすがに俺もアレ以上の“続き”は無理だったっつーのが本音で。
彼女にしても今までそのまま寝てしまったことなんてあまりなく、連日連夜の“疲れ”が渚を夢の中へ“即落ち”させた原因かもしれないと思った。
さて…俺も寝っかな…。
漸く身体の“熱”が冷めてきたのを感じ、短くなったタバコを灰皿で揉み消し、換気扇のスイッチを切る。
明日は日曜だけど当直ではない。渚も休みだから久々に朝ゆっくり起きられるな…なんて思いながら、また寝室へと足を向けた。
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