君のその手を

□2章:大人でも“恋”をします。
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今日は外来診療の担当。

テンション下降気味のまま、医局で白衣に着替えて外科外来に降りる途中、猿飛に会った。



「チカ先生ー!!おっはよー!!情報仕入れてきたよー!!」

「…オウ。」

「アレ!?あんまり食いつかないね?折角バイクの女の子の情報教えようとしてんのに。」

「んあ?一応聞いとく。で?」

「『一応』って…人に頼みの事しといてヒドイ言い方だねぇ。まぁ先生らしいっちゃらしいけど。…でね、先生が言ってたバイクの女の子は春に小児病棟に入ったナースなんだって。名前は藤波渚ちゃん。」



ああ。そりゃ昨日、本人から聞いた。



「…で、『入ったばっかだけど仕事は出来るし、性格もバッチリでイイ子だよ〜』って昨日合コンした子が言ってた。真田の旦那も色々と誉めてたし。」

「…知ってる。」

「へっ?」


「昨夜、偶然ソイツに会った。」

「あ…そぅ…。俺様必要なかったっつーワケ…で、可愛かった?」

「暗かったケド…かなり可愛いと思う…。」

「へぇ〜性格もイイ感じ?」

「まぁ…多分…つーか裏が無ぇ感じがした。」

「…へぇ〜、先生がそう言うなんて何か意外なんだけど…。まさか一目惚れしちゃったとか?まぁそれは無いっか。」

「………。」

「うわ!?ちょっと何、図星!?つーか、一晩でチカ先生をオトすなんてどんなコなのよ!?ねぇ、俺様もそのコに会ってみたい!!」

「…今晩オマエも来るか…?」

「へっ?何?もう約束してんの?それすら驚きなんだけど!!」

「猿飛…驚いて腰抜かすかもしんねぇぞ…?」

「は?何ソレ…。なんか恐ろしいトコでも行くの…?」

「まぁ行けば分かるんじゃねぇかなぁ。」



そんなこんなで仕事が終わった後、猿飛を拉致?して渚の言っていた町外れの峠へと向かった――。





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