対極(だからこそ、)

□04.
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はーい、ちょっと待ってください、今開けますからー……うわっ!?あ、ご、ごめんなさい、予想してた人と違ったんで…。えーと、何かご用で?
え、銀さんに聞きたいこと。しかも依頼として!それは是非お受けしたいんですが…生憎、今は銀さん外出中でして。聞きたいことなら僕でも答えられるかもしれませんし、どうぞ入ってください。お茶しかないですが、はは。


で、あの。聞きたいことってなんなんですか?
……ああ、土方さんの彼女について。確かにその用件じゃ、僕より銀さんの方が詳しく聞けるでしょうね。なんでも、昔一緒に過ごした仲間らしいですし。
でも僕とも関わりありますよ、彼女。僕が先に話しますんで、それで時間潰しましょうか。あ、依頼料はトータルにしなくて大丈夫ですよ。僕が勝手に話すんですから。

そうだなァ。初めて土方さんに彼女が出来たって聞いた時は、とても驚きました。「あの人に彼女ォォォ!?」みたいな。だってほら、土方さんは鬼の副長…だなんて呼ばれてて。手のだしようがないっていうか、真選組自体にあまり近付きたくないじゃないですか。そんな真選組のナンバー2と付き合うって、結構デンジャラスな事ですよ。しかも姉上が言うには、スナックに来ても女を相手にすることはないらしくって。適当にあしらってたようなんです。
そんな人に彼女。聞いた時は信じられませんでしたよ。でも会っちゃったんです、僕。二人が一緒に歩いてる所にバッタリ。

驚きましたよ!手を繋いでるんですもん。思わず声かけちゃいました。あ、勿論彼女さんの方にね。
「貴女は、土方さんの…?」と尋ねればニコッと笑って、「彼女だよ」と。隣りの土方さんも否定しないわで、事実と知って。あの時のことは、当分忘れられません。
未だに二人で歩いてる所見ると、目を擦っちゃったりします。ええ、実は。彼女さん、笑顔が素敵な人なもんだから、無愛想な土方さんが浮き出ちゃって。ただの幼馴染みなんじゃないの、なんて思ったり。でも幼馴染みはどうやら銀さんみたいだし、それは無いんだよなぁ。

え?あ、彼女さんを僕なりに一言で表すと?そうですね。さっきも言いましたがやっぱり、




笑顔の素敵な人





「ただいまヨー!」



あ、神楽ちゃんが帰ってきましたね。…この時間までに帰ってこないんじゃ、まだ銀さんは帰らないかな。
神楽ちゃんも彼女さんのことは知ってますし、聞いていったらどうですか?





12.02.17



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