対極(だからこそ、)

□03.
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トシの彼女?


君か、総悟が言っていたのは。山崎からの報告もある、君の狙いが何か分からない限り、彼女の情報は教えられん。仮に君が新聞記者だったとして、冬那ちゃんを悪く書かれちゃ………え、名刺?…うむ、確かに新聞記者では無いようだ。だがしかし、噂話として広められたら堪らんから…

何、冬那ちゃんの友人だと?なんなら確認をとるか…っていや、いい。見た所君は嘘を吐いてないとみた、何故友人が冬那ちゃんを調べているのか疑問は残るが…俺の知っていることなら、なんでも話そう。と言っても、俺は冬那ちゃんと特別仲がいいわけじゃない。総悟やらと重複してしまう可能性があるが、それでもいいのか?…いいんだな、それでは何が聞きたい?

……冬那ちゃんの過去、か。君は最近の友人なのか?ほう、バイト先で意気投合したのか、冬那ちゃんが友人を作りに行くとは…ああすまんすまん、冬那ちゃんの過去だったな。
今からするのは本人から聞いた話だ。トシが紹介する為に連れて来た日、たまたま二人きりになった時、呟くように語りかけてきた話。本人が嘘を吐いているかもしれない可能性はあるから、そこは承知しておいてくれ。



彼女は昔、攘夷活動をしていたらしい。昔と言っても、トシと知り合うほんの少し前まで。友人には指名手配になっている者も居る、と苦笑を洩らしていたな。今では全く連絡をとっていないらしいが。
だから本当の所、真選組が怖いんだ。友人が捕まった所を直接見ることは無いとしても、彼氏が友人を捕らえることを考えると胸が詰まる、とも言っていた。

それに…今では過激派になってしまった、鬼兵隊は知っているな?冬那ちゃんは鬼兵隊の隊員で、しかも…幹部クラスだったらしい。過激になっていく高杉を見ていると、坂田や桂、それに坂本らと一緒に戦っていた時代、今より数倍は丸かった高杉を思い出してしまい、一発殴ってやりたくなるそうだ。まあ、今では真選組副長の彼女の座についちまった。殴るどころか、言葉を交わすことすら出来ない…そう言って、何処か寂しそうに笑っていたよ。
……ああ、誤解の無いように言っておくが、高杉と冬那ちゃんは互いに特別な感情を抱いたことはない、と断言していたから…そういう関係になったことはないだろう、恐らく。



俺が聞いてる話…つまり、俺の知ってる彼女の情報はこんだけだ。
え、冬那ちゃんを一言で表せ?それならこれだ、




芯の強い女の子





あ、情報を集めるのはいいが、危険な地帯には足を踏み入れるなよ?特に鬼兵隊には近付くな、見つけ次第真選組に連絡をくれ。分かったな?





12.01.28



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