※アズカバンの囚人
※教師×闇払い


『それ、私がやりたいです』

「え、いいのかい?どれくらいの期間かかるかわからないよ?」

『今も一人なので、住居地を変えることなんて問題無いですから』


私は9月から新居地で一人暮らしを始めることが決まった。


9月1日
キングズ・クロス駅
9と4分の3番線

妹と共にプラットホームをあるく

「お姉ちゃんが一緒に汽車に乗るとかなんか不思議」

『お遊びで乗るわけじゃないの…』

「でも、今学期は学校にもくるんでしょ?」

『仕事ではね…近くに住むのも仕事のため…汽車の中でも一切話せないからね』

「えーー」

そう、全ては奴が捕まるまでの任務!

悪名高き殺人犯
シリウス・ブラックを見付け出すことが任務

今回はディメンターもホグワーツ周辺をはるらしい。

まぁ、それも全ては、ハリー・ポッターのため。殺人鬼は生き残った男のを始末しにくるだろうと言われているが、本当に厳重警備のところにのこのこと現れるのだろうか…そんなに間抜けなのかと私は思う。

汽車が出ると私は極力ハリーの近辺をはった。


汽車にディメンターが襲ってくるとは想定外だった。

それ以外は何もなく汽車はホグズミートにつき、私の一次任務は完了した。


その日からホグズミートでの生活が始まったのである。


それにしても暇な日々だった。
まぁ、ブラックの目撃情報が徐々に近づいてはいるものの、まだここにはくる気配がなかったせいか、ホグズミートの生活を呑気に楽しんでいた。


週末になるといろんな客人もくるので、普段の生活より楽しい気がする…

それに…

ドアベルがなり扉を開けると、仕事終わりの彼がいた。

『いらっしゃい…今日もきて平気なの?』

「仕事が無かっただけだ」

まぁ、そんなことも嘘だろう。
素直に言わないのが彼、セブルス・スネイプだ。土日は授業も無いので暇を見つけてはこうやって家を訪ねてくる。去年は一年近く会えなかったのに、今では週に一回は会ってる。


そして、特に問題もなく、月日がたった。

ある日、久しぶりに学校を訪れた。

遊びではなく、仕事で、名目はクィディッチ競技場の監視。

今日はグリフィンドール対ハッフルパフの試合。

ハリーが出るから監視に来いとの事だと思ってはいたけど、校長の誘いが、「暇なら試合でも見にくるといい」だけ。適当な校長で困ったものだ。

ふらふらと競技場の周辺を歩いていたら、何か物凄い衝撃を頭にくらいそこから私は意識を無くした。


気がついた時は、物凄い痛みを感じ目を覚ました。そこは見覚えのある部屋…

『私、何でここにいるの?』

「監視として来て、競技場の裏で伸びてるとは、何と情けない闇払いなんだ…」

そうここは、学生時代よく通った、先生の部屋だった。

『頭に物凄い衝撃を受けたのは覚えてるけど…』

「クィディッチの試合にディメンターどもが現れた」

『え?何で…』

「知らん、奴が近くにいたのではないか」

『じゃあ、私はブラックに…くそっ!』

闇払いとして恥ずかしき失態…

気づけばただただ、涙を流していた…

「…向いてないのでは」

『…え?』

彼の声に耳を疑った。

『何て言った?』

「闇払い…向いてないのではないかと…」

『ちょっと、何言ってるの?』

ベットから起き上がり彼を見た。
彼は仕事中なのか机に向かって何か書いているようで、こちらを見ない。

『私がどんな思いでなったかわかってるでしょ』

「最後まで私は反対したはずだが」

『それでも最後はいいといった』

「仕方がなくだ…私は今でも辞めてもいいと思ってる…それに…もし」


『先生の馬鹿!!』


私は耐えられず荷物を抱えて部屋を飛び出した。ひたすら走り、学校の敷地を出たところで、姿くらましをし、次には自分の部屋のベットでただただ泣き続けた。

それからしばらく、この前の襲われた痛みと心の痛みとで、一ヶ月近く任務を休ませてもらった。本当は一週間で頭の痛みはほとんど消えてたが、心の痛みが全く消えることはなかった。





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