HIKAGE SERIES
□Y
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月日は流れ、あの騒動から一ヶ月がたった。
今日もいつものように研究室でレポートとと格闘する、アリスはほぼ寝れない日々が続いてた。
「アリスさーん?」
違う仕事をしていた、クラウドが様子を見にくると、アリスは反応を示さず、夢の中に行ってしまっていた。
クラウドは軽くため息をつき、ブランケットをアリスにかけて、部屋を後にした。
書類の束を抱えながら、会社のロビーを歩るきながら、ふと漏れるは大きなあくび…
「お疲れですか?アリスさん」
ふと見れば、ベガさんと、教授の姿があった。
『ここのところ、寝る暇がなくて…』
「あまり無理はなされないで」
『はい…』
「これからどちらかに?」
『気分転換に公園にでも…と』
「そうでしたの、お呼び止めしてごめなさい」
アタシは軽く二人に会釈をし、公園に向かった。
しばし、公園のベンチに腰掛けながら、持ってきていた資料に目を通す。外で気軽に読めるような内容にしたので、すぐに読み終えてしまう。研究室に戻ったところで、山積みのレポートしかない…アタシはしばし空を眺めた。
耳を澄ますと遠くから足音が聞こえる。徐々に近づいてくる音。次第に近づきパタリと音が止まる。音のしたほうをみると、
やっぱり…
『やっぱり、来た…』
ベガさんと別れ、アタシが公園に行くと言っていたから、来てみたのだろう、教授が立っていた。
『座れば?』
素直に隣に腰掛ける教授…
『この前はいきなりであんな対応してごめんなさい』
「いや、私のほうこそ…」
『お見合いをしたこと、アタシはなんとも思ってないから…』
「ああ」
『覚悟してたことだし…10年もいなかったアタシも悪いの。それに、相手も相手だもの…』
「…これからどうする」
『アタシたちの関係を話したら、よく思わない人たちが何人もいる…しばらくは距離を置いておいたほうがいいきがする…』
「…賢明だな」
こう話してると、あの場所であって話してた時を思い出す。
『10年って、短いものだと思ってたけど、違ったみたい…戻ってきたらアタシだけ時が止まってた』
「…止まってたか」
『みんな変わってた…変わってないのはアタシだけ』
「…アリスも立派に変わったでわないか」
『え?』
「5年前にあった時より、大人になったとは思うが…」
『そうかな…』
あの頃、あの場所で話してるようだったけど少し違和感があるきがした。
「あれは、結果を出したのか…」
『言ったはずだけど?結果を出すまでは帰ってこないって…』
「素直に言わんか…」
『完成した。目指していた以上のことができただから、あそこにいる意味もなくなった…で、戻ってきた。』
「あれが現実にできたのか」
『ええ、夢みたいな話がね…来年、学会でプレゼンすることも決まってる』
「…学会?世界大会か?」
『ええ、来年の開催国はここでしょ?…招待された』
「…そうか」
『それが終わったらまた、出て行こうかと思ってる』
「すぐにか?」
『こちらにいる理由がなければ、1、2年また、勉強しに行こうかなって』
「残る理由なんぞ…」
彼が何か言おうとした時に、アタシの携帯が鳴った。
『はぁ、戻らないと』
「…誰からだ?」
『今のアタシの秘書兼助手から、今までにない最高なパートナーなの。それじゃあまた…え!ちょっと!!』
よくわからないけどいきなり抱きしめられた。
「どれほど我慢してたかわかるか…近くにいても当分はまたこうできないのだ、少しだけ…」
こんなことを言われたら、抵抗すらできなかった。でも、時間は許さず、またアタシの携帯が鳴った。
『もう、行かないと…またね』
アタシは無理やり彼から離れ、会社へと戻った。