HIKAGE SERIES
□Y
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あれから数日後、マリアは休暇あけ初のホグワーツにいた。
どうしても、足の進まない地下への階段。マダム・ポンフリーのところに行ったのに、すぐに地下へいけとのこと…
理由は仕事が溜まってるらしい
ああ、恐ろしや
気づけば部屋の前。
この扉を開けたら、出れないのだろう。
中にはいると、普段でさえ暗いのに、さらに暗いこの部屋。
それも、ここの主のせいだろう…
「先生、起きてます?」
「……戻ったのか」
起きてないと思ったら起きてたようで、ものすごく暗い返事が帰ってきた。
「起きてらっしゃった……こ、これって」
先生が腰掛けるソファーの後ろに山積みの書類たちが目についた。
「先生、授業をろくに出来ないからって、どうしてこんなに課題を出すんですか…」
マリアはため息しか出なかった。
「…うるさい、クウィスの分はメモに書いてある…さっさと取ってされ…」
スネイプはめんどそうに杖を使ってメモをマリアの方に飛ばすと自身は、ソファーに横になってしまった。
マリアはさらにため息つき…
「…おととい、会ってきましたよアリスに」
メモの内容を確認したながら、何となく話してみた。
「…なら聞いただろ」
「まぁ、会ったことは聞きましたよ…私は前々から言ってたはずですよ、気をつけてくださいと…」
「もういい、出てけ!」
怒らせてしまったようだったので、マリアは与えられた仕事の山を抱えて地下から抜け出した。
その日の夜、医務室のベットで眠る生徒がいたので、隣の個室で仕事を片付けていた。徹夜は慣れっこのマリアだが、二週間溜め込んだ仕事をこなすのは一苦労だった。
机に向かい、羽ペンを必死に走らせる、自動速記羽ペンも隣でカチャカチャ動く。
そこに珍しい訪問者が現れた。
「先生がいらっしゃる何て珍しいですね…ここにはいませんよ、規則破りな生徒は」
「あいつはなんか言ってたか…」
人の茶化しをスルーして、単刀直入にアリスのことを聞くとはそうとう悩んでいたことがわかった。
「はぁ、特に何も…何となく自分で納得しようとしてましたよ…」
「納得?」
「10年もいなければお見合いすることも目星がついてたみたいですし…それにお相手の方にもかなわないからって、自分から去ろうと考えてますよきっと…」
「そうか…」
「先生、もう帰って来たんですから、あの事話してもいいんじゃないですか?」
「……」
マリアは今後が不安で仕方がなかった…。