HIKAGE SERIES

□X
1ページ/5ページ


帰国して一ヶ月。

やっと、アタシは新居に越してくることができた。それまでは、実家にいたのだが、10年も一人暮らしをしていたせいかそっちの方が落ち着くので、研究所の近くに部屋を借りた。



それにしても、引っ越しってなぜこんなにも荷物整理が面倒なんだろう


『はぁ』

「魔法でやればいいものを」

『ここに越してきた意味が無くなるでしょ!』


アタシはいろいろあり、マグルの住むアパートを借りたのだが、父はそれに大反対で、なだめるのが大変だったのは言うまでもない。


「お前は魔法使いだ!なぜ杖を使うことにためらう!!サジターリアスなんぞにいくからそんなことに…」

『そのことはもう話し合ったでしょ?今更言わないでよ!それに、何でただの引越しなのにいるの!』

「別にいいだろう、暇なだけだ!」


「アリスさん!これはどこに置きますか?」

『あー、それはあっちへ』

「わかりました…」

『すいません、休みの日まで手伝ってもらっちゃって』

「いいんですよ、アリスさんの秘書ですから」

「アルテル!今夜の食事会お前も参加しろ!」

『父さん!強制しないの!気にしないでいいですよ』

「せっかくのお誘い申し訳ないのですが、今夜先約がありまして」

「…ちっ」

『ですよねー、いいんですよ!』


あぁ、この暴君を操縦するのもすごく疲れる。





そして、その日の夜。


「アリスの帰国を祝ってカンパーイ!」


兄2人と兄の家族を交えての家族パーティー。レストランの個室を使うのも我が家らしいなと思いながら、久しい顔ぶれにホッとした。だが、それもつかの間、気づけば兄と父は今の研究話しに…こんなところまで来てその会話はごめんなので、義姉のほうと話そうとすれば、そちらはそちらで母と仲良く、育児ばなし。さらについていけない。


それでも、研究よりはましかと思い、耳を傾けた。気づけば甥っ子姪っ子も大きくなってたり、増えてたり。
あたしが旅立つ時、一歳だった子は気づけばホグワーツの一年生になっていたり。また一人は、監督生だの…10年って、長いようで短いのものだなと、実感した。

しばらくして、相づちをつくのも疲れて来たので、席を外し、外に一服しにでた。


外は若干の寒さはあったが、気分転換にはちょうど良かった。



_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ