HIKAGE SERIES
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帰国して一ヶ月。
やっと、アタシは新居に越してくることができた。それまでは、実家にいたのだが、10年も一人暮らしをしていたせいかそっちの方が落ち着くので、研究所の近くに部屋を借りた。
それにしても、引っ越しってなぜこんなにも荷物整理が面倒なんだろう
『はぁ』
「魔法でやればいいものを」
『ここに越してきた意味が無くなるでしょ!』
アタシはいろいろあり、マグルの住むアパートを借りたのだが、父はそれに大反対で、なだめるのが大変だったのは言うまでもない。
「お前は魔法使いだ!なぜ杖を使うことにためらう!!サジターリアスなんぞにいくからそんなことに…」
『そのことはもう話し合ったでしょ?今更言わないでよ!それに、何でただの引越しなのにいるの!』
「別にいいだろう、暇なだけだ!」
「アリスさん!これはどこに置きますか?」
『あー、それはあっちへ』
「わかりました…」
『すいません、休みの日まで手伝ってもらっちゃって』
「いいんですよ、アリスさんの秘書ですから」
「アルテル!今夜の食事会お前も参加しろ!」
『父さん!強制しないの!気にしないでいいですよ』
「せっかくのお誘い申し訳ないのですが、今夜先約がありまして」
「…ちっ」
『ですよねー、いいんですよ!』
あぁ、この暴君を操縦するのもすごく疲れる。
そして、その日の夜。
「アリスの帰国を祝ってカンパーイ!」
兄2人と兄の家族を交えての家族パーティー。レストランの個室を使うのも我が家らしいなと思いながら、久しい顔ぶれにホッとした。だが、それもつかの間、気づけば兄と父は今の研究話しに…こんなところまで来てその会話はごめんなので、義姉のほうと話そうとすれば、そちらはそちらで母と仲良く、育児ばなし。さらについていけない。
それでも、研究よりはましかと思い、耳を傾けた。気づけば甥っ子姪っ子も大きくなってたり、増えてたり。
あたしが旅立つ時、一歳だった子は気づけばホグワーツの一年生になっていたり。また一人は、監督生だの…10年って、長いようで短いのものだなと、実感した。
しばらくして、相づちをつくのも疲れて来たので、席を外し、外に一服しにでた。
外は若干の寒さはあったが、気分転換にはちょうど良かった。
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