HIKAGE SERIES
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「ええ、それではこれで進めて行きます」
「お願いします」
「では、失礼します」
ベガはクライアントとの打ち合わせを終えて、急いで約束の店に向かった。
相手は先に店にきて、もう席についていた。
「お待たせしました」
「私も先ほど来たところです。」
「なら良かったですわ」
「それで本日はどのようなようけんですかな?」
「ええ、この前いっていた…」
食事を進めながら、研究の話をして、そのまま薬学の話をしていく2人。
ベガの向かいに座るのは、セブルス・スネイプ。魔法薬学の教授。
ベガ・セントール。サジターリアス研究所、副社長兼新薬開発部部長。
2人は薬学マニア。
話もお互いの好きなもののことなので、盛り上がる盛り上がる。
根暗と言われるスネイプでさえ、積極的に話すのだから…そう、誰かと話してる時のように…
「これだけならば、私は失礼しますが」
「……ただ、会いたかっただけです。」
スネイプはハッとしベガを見た。
ベガはその姿を見るなり少し笑い
「冗談ですわ。そんなに驚かないでください。父のことがあるからと言って、私にこまめに会わなくてもいいんですよ」
「いや…ですが」
「でも、私はいつかスネイプさんに振り向いて欲しいんですよ」
「…いや、だが」
2人は店を出て、ベガは迎えの車を呼び、それに乗り込むとスネイプと別れた。
スネイプはそれを見送り、夜道を歩きながら程よい場所でホグズミートへ姿くらましをしようと場所を探していたら…
懐かしい香りとすれちがい、急いで振り返った。
そこには黒髪で長い髪をポニーテールにし、スラットした体形、黒いパンツスーツにピンヒール。
どことなく面影がある気がした。その時、暗がりに光る左耳のピアスに…
「……アリス」
久しく呼んでいなかった名を口にして、胸がはぜたが、その声はピアスの女性には届かずそのまま立ち去ってしまった。
スネイプは自分の左耳に触れ、ついになってるピアスを確認した。
あれは間違いなく…
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