HIKAGE SERIES
□W
1ページ/4ページ
「それで、彼には会ったのか?」
『まだ…』
「教えてないのか?」
『手紙…だしたよ』
五年前の約束がまだ守られてるなら…彼は飛んでアタシに会いにくると思ってたけど…アタシの思い過ごしだったみたいだし…
「失礼します、会長…あっ」
私室の扉をノックし扉を開けて現れたのは、アタシより少し年上の男性だった。アタシがいるとは思わなかったようで、戸惑ってるのがみてわかる。
「失礼しました!」
立ち去ろうとする彼を父が呼び止めた。
「待て、平気だ。もう時間か?」
「あっ、はい。車を回しました」
「わかった…コレは私の娘だ。名前と研究ぐらいは知っているだろ。アリス」
アタシは立ち上がり、男の前に立ち。
『アリス・ファーシムです。初めまして…あー、えっーと?』
「あっ、初めまして!僕はアルテル・クラウドです。会長の第四秘書です。研究員でもあります!アリスさんの事はもちろん存じてます!いつ戻られたのですか?」
あたふたする彼はとても可愛かった。年に合わないけど…
『今日帰ってきました』
「あー、そうだクラウド!お前、数年前までサジターリアスにいたな?」
「あっ、はい。おりましたがそれが?」
『そうなんですか!アタシ、これからそこでお世話になるんです!』
「丁度いい、クラウド!お前当分アリスの秘書やれ!」
「えっ、会長いきなり何を!」
『父さんそれは迷惑でしょ!』
「いえ!僕は迷惑ではありません!とても光栄です!」
「なら決まりだな」
『じゃあ、明日からお願いします。クラウドさん』
あたしは軽く笑ったつもりだったのだが、クラウドさんは耳まで真っ赤にして茹で蛸になってた。
_