HIKAGE SERIES

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「それで、彼には会ったのか?」

『まだ…』

「教えてないのか?」

『手紙…だしたよ』



五年前の約束がまだ守られてるなら…彼は飛んでアタシに会いにくると思ってたけど…アタシの思い過ごしだったみたいだし…


「失礼します、会長…あっ」


私室の扉をノックし扉を開けて現れたのは、アタシより少し年上の男性だった。アタシがいるとは思わなかったようで、戸惑ってるのがみてわかる。


「失礼しました!」


立ち去ろうとする彼を父が呼び止めた。


「待て、平気だ。もう時間か?」

「あっ、はい。車を回しました」

「わかった…コレは私の娘だ。名前と研究ぐらいは知っているだろ。アリス」


アタシは立ち上がり、男の前に立ち。


『アリス・ファーシムです。初めまして…あー、えっーと?』


「あっ、初めまして!僕はアルテル・クラウドです。会長の第四秘書です。研究員でもあります!アリスさんの事はもちろん存じてます!いつ戻られたのですか?」


あたふたする彼はとても可愛かった。年に合わないけど…


『今日帰ってきました』

「あー、そうだクラウド!お前、数年前までサジターリアスにいたな?」

「あっ、はい。おりましたがそれが?」

『そうなんですか!アタシ、これからそこでお世話になるんです!』

「丁度いい、クラウド!お前当分アリスの秘書やれ!」

「えっ、会長いきなり何を!」

『父さんそれは迷惑でしょ!』

「いえ!僕は迷惑ではありません!とても光栄です!」

「なら決まりだな」

『じゃあ、明日からお願いします。クラウドさん』


あたしは軽く笑ったつもりだったのだが、クラウドさんは耳まで真っ赤にして茹で蛸になってた。




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