HIKAGE SERIES

□V
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目の前に差し出された、鏡に写るのは見たことのないアタシ。

『こ、これが、アタシ…』

「元が美人なのに何もしないからですよ!少しお手入れしてあげるだけでこんなになるんですから。髪の毛だって長いままに伸ばすからバサバサだし…」


その後のサクラの声は聞こえなかった。あまりにも自分に見とれすぎてしまったから…


「…さぁ!アリスさん!いってらっしゃい!」

『え?どこに?』


戸惑いの顔を見せれば、サクラは薬園にです。とだけ言って、またニコリと笑った。

アタシは無理やり研究室を出され、仕方がなく薬園に足を向けた。

そこにはいつもと変わらず、スターチスが咲き乱れてた。

ポケットに手を伸ばし、中からタバコを取り出して火を付ける。この仕草もずいぶんと慣れたものだ。白い煙を空へと吐く。


「スターチスの花言葉を知っているか?」

『え?』


振り返ればアタシは夢を見てるのかと思った…






「今日、お帰りに」

「はい、戻ってやることがあるので」

「学校の先生とは忙しいものですな」

「いや」

「あと、紹介してないのは…あぁ、あのチームですね」


所長は目の前を歩くガイを呼び止めた。


「ガイ君!君のチームの話をしてくれないか…」

「あぁ、俺はいいですけど…でも、それならあいつの方が」

「チームリーダーは君だから」


所長に言われ、ガイはスネイプをチーム研究室に引き連れた。


「ここが僕たちPの研究室です。Pの研究内容はご存知だと思いますが…アリスの研究テーマである羽の研究です。僕はそのチームリーダーを務めてます。本当ならあいつがするものですが、研究に集中したいとかで僕が名乗り出ました…まぁあいつとは…」

「君は偉くファーシムと中が良いようだが…どういう仲かね?」

「あー、ただの片思いですよ。あいつになにいっても通じないんで…スターチスを大切にする理由だとかなんとかって、言ってましたね助手が」

「スターチス?」

「ええ、ここに来た時からスターチスを育てて、研究によって年中咲いてるスターチスが、あいつの薬園にありますよ」


見ます?の言葉に、スネイプは横に首を降り場所だけ聞いて、その場をあとにした。







「花言葉は…?」

『…永遠に変わらない』

「本当に変わってなかったのか」

『そっちが先でしょ…』


アタシは今にでも泣き出しそうだった。


「すまない、疑ったりして」


彼はアタシのことを力強く抱きしめてくれた。

まぁ、そのあとは、よくわからないけどなぜか一週間の滞在だった彼は一ヶ月滞在に変わり。アタシはたまりに溜まった有休消化をする羽目になった。



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