HIKAGE SERIES

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怒りに任せて、研究室の扉を蹴飛ばしたらサクラが凄い目つきでこちらを睨んでた。

「扉は手で開けるものです!」


『…はい』

あまりの怖さにしゅんとなる。

「はぁ、所長が呼んでましたよ。応接室Aに来るようにだそうですよ」


『あ、うん、わかった…でも何故?』


「お客さんみたいですけど」


『客?誰だろ…』


アタシを訪ねて来る人を頭で考えながらフラフラと応接室に向かった。

応接室前につき扉をノックすると中から所長のどうぞの声が聞こえてきたので、中に入ったアタシは固まった。

「やっときたかぁ、こちら…言わなくてもわかるよね」

所長が客人の紹介をしたが、途中で辞めた。確かにアタシの目の前にいる人が間違えじゃなければ…


『…スネイプ教授』


5年ぶりに見る姿は全く変わってなかった。


「久しぶりですな、ミス・ファーシム」


『どうして今日は?』


「なんかね、英国の薬学学会が彼を視察として送られたそうだよ」


彼に聞いたはずが所長に答えられてしまった。


『そうですか…』

いろいろ話したいのに、所長がいるてまえ下手なことは口に出せない。と、困ってたらタイミングよく応接室の内線がなった。


「あー、私が出るよ」


所長が内線を取ると要件は所長にだったらしく少し話したあと、仕事だと言って出て行ってしまった。残されたのはアタシたち二人だけ。


『本当に視察なんですか?』


「あぁ、そうだ。タイミングよくここの視察の声がかかったのでな引き受けた。」


『そうですか…』


なんだ、本当に視察だけかぁ
と思うと、少し凹んだ。もうちょっと、こういう場合ならさ

「お前に会うためだけに来た」

そう、そう言って……え?
目を丸くして固まってたら


「と、言って欲しいのか、馬鹿もん」


『人の心読まないで!』


「ふっ、変わってないな…中身は…」


『…』


顔を真っ赤にさせるしか出来ないアタシが悔しかった。だよね、五年前から成長してないなぁ…そう中身は?

『中身は?』


「煩い!」


中身はとは聞き間違いかと聞き返すと、怒られた。でも、それって

『じゃあ、外見は変わったんだぁ』

クスクス笑ながら言えば睨まれた。久しぶりにそんなことを言ってもらえると、にやけてしまう。


『今日こられたんですか?』


「あぁ、そうだが」


『いえ、研究で忙しくて今朝まで研究室に缶詰だったもので』


「ここでも、無理してるのか」

『ち、違いますよ!楽しすぎて時間を忘れるんです』


「やはり変わらんな」


久しぶりすぎるのか会話はぎこちなかったけど、久しぶりに彼に会えたことはすごく嬉しかった。

だが、それも短時間で…


「アリス!」


応接室の扉が勢いよく開き、ヤツが現れた。



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