HIKAGE SERIES

□T
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「どうして?嘘だよね?」

「…決めたことだから」

「なんで?今ならまだ…」

「もうお前のお父さんが許してくれるわけないだろ…」

「かってすぎるよ…」

「ごめん、じゃあな…」


私の前から去って行く彼の背に向かって「なら、幸せになってやるんだからー!」と、叫んでやった。


でも、それから数年、立ち直れるわけもなく…


「はぁ…」

「またため息ですか?」

「えっ、ごめんなさい…」


仕事に身が入らないことがしょっちゅうだった…



そうあの日がくるまでは……







普段通りに仕事をこなしてれば、滅多に顔を見せない人が私のオフィスにやって来て。


「今日の昼、一緒にどうだ?」


と、だけ言って去って行った。


拒否権もなく、指定された店に向かった…そこには私を誘いに来た…そう、父と…見たことがないほどのイケメン!でも、随分とお歳を召してそうな男性がいた。


「お待たせしました」

「ああ、来たか…あーこち…」

「ルシウス・マルフォイです。お見知りおきを…それにしても、可愛らしいお嬢さんだ…彼の相手にはもったいないかな」


笑いあってる二人にたいし、私は苦笑いしかできたかった。

そして…


「お、お見合い!…ですか」

「そう、君のお父さんに頼まれてね、いい相手がいないかと。まぁ、そこにちょうど未だに独身のものを知っていてね」

「でも…」


まだ、彼のことが…


「私はいい相手だと思ってるよ、あんな奴よりな」


彼のことをあんな奴なんて…


「私が既婚の身じゃなければ。私が相手になるんだが」


父とマルフォイさんは楽しそうに談笑を始めてしまった。

お見合いなんて…
でも、いい機会なのかな。
私も年だし。


「…あの、お相手はどんな方なのでしょうか?」


恐る恐る会話の間に入ってみれば、二人はすぐにこっちをみてニコッとして…


「興味があるようだね」

「…お話は聞いてもいいかなと」

「そうかそうか、だが君には申し訳ないんだ本当はね」

「なぜですか?」

「年齢が君より10上なんだ」

年上…


「どんなお方なんですか?」

「ホグワーツで、魔法薬を教えてる教師だよ、名はセブルス・スネイプ…根暗で、魔法薬馬鹿だ」


お父さんは後を継げる人を探してるんだ…



「わかりました、お会いします」


父とマルフォイさんは嬉しそうだった。

二人の顔を見てたら、私も少し楽しみになっていた。






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