HIKAGE SERIES
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発表会までの日々は目まぐるしく過ぎ去った。
そして時は発表会前夜…
柄にも無く緊張しているアタシは、明日の発表資料の最終確認をしていると、部屋の扉が開いた。
『ノックぐらいして』
「別にいいだろ…今平気か?」
入ってきたのは、父さんだった…
『なに?』
「ビビってるお前を見にきた…」
『出てって…』
「まあ、そう怒るな…それで、彼とはうまくいってるのか?」
邪魔な父を追い出そうとしたら、いきなりなにを聞いてくるんだ…
『…別に関係無いでしょ』
「お前の事だ、別れようとか考えてるんだろうが…まぁ、いいか。緊張してる顔も見たから出て行くか」
中途半端に何かを言いかけて父は出て行った…
不思議なモヤモヤは残ったけど、でも、何故か父がきた事によって、緊張が和らいだ…
そして、発表会…当日。
そうそれはアタシの晴れ舞台…
『だからって、こんな派手なローブで無くても…』
「だーめ、晴れ舞台ぐらい輝かないと」
だからって、こんなキラキラで、白いローブなんて…
能天気な母をもつと子は苦労する…
ん?
鏡に写った父は笑ってる。
『何か用?』
「昨日よりは固く無いな、客人がロビーにお集まりだ、挨拶にいけ」
はぁ、挨拶か面倒くさいけど行かないとね。だって、媚は売らないと…
『すぐに…』
アタシはロビーへと急いだ。
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