HIKAGE SERIES

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「忘れ物ない?」


『大丈夫…』


「本当に?ちゃんと確認した」


煩いマリアを無視して、最後に六年間過ごしたベットと部屋を目に焼き付け、談話室に下りた。


「支度出来たのね」


『うん、お待たせ』


「ロンとハリーは先に行った
から、私達も行きましょう」


アタシ達はハリー達が待つ、玄関へと急いだ。そこは、汽車を待つ生徒であふれ、各々に別れを言っていた。
アタシの所にも何人か…


「本当にご迷惑おかけしました。頑張ってください、先輩」


正気に戻ったベリーがお別れを言いにきてくれたり、


「先生と別れたら直ぐに言えよ、僕の妻にしてやる」


『絶対あり得ないから』


ドラコの鬱陶しいアプローチがあったりした。


「本当に忘れ物ない?」


『うーん…あっ、一つあった行ってくる』


あたしは柱の影にたつ彼に駆け寄った。


「忘れ物はないか」


『マリアと同じことを…一つだけまだ残ってる』


「何だ」


アタシは彼のローブ引っ張り、彼にキスをした。周りから影になる位置なので、見られる心配もない。


「なぜ泣いてる!」


『まさか目にゴミが入っただけ…じゃあ、またね』


泣いているのを誤魔化しながら、アタシは皆と共に、ホグワーツ特急に乗り込んだ。
その中でも少し問題が…


「ちょっと、アリス‼首に掛かってるチェーンなに?」


『あん?これ……あっ……』


うかつにチェーンを引っぱるんじゃなかった。


「えっ、それって……指輪?」


「もしかして、スネイプが?」


指輪を見せたことで、女子二人はギャーギャー騒ぎたし、ロンドンに着くまで収まることはなかった。


「本当にこれでお別れね」


『永遠の別れでは無いからね』


「元気でね」


「あっ、戻ってくるなら言いなさいよ」


「手紙は定期的に送りなさいよ」


『あぁ、はいはい』


こうやって、楽しく話せるのも当分はお預けか…


『みんな元気でね』


最後は笑って、みんなと別れた。しばしの別れに過ぎないのだから。


「アリス」


『あら、父さん?どうしたの?』


「迎えにきたんだ、車を待たせてる」


さぁ、残すは発表会だけとなった。





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