HIKAGE SERIES
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「また明日から魔法薬の授業、一緒に出れるのね」
『うーん…』
談話室に戻ると、みんながプチパーティーを開いてくれた。
「ねぇー、スネイプのところには?」
唐突に聞いてきたハーマイオニーのせいで、飲みかけの紅茶を吹き出した。
『ぶはっ!!な、何故それを聞く?』
「大事なことでしょ?解禁されたなら」
『大事なこと……あっ、忘れてた!!』
あー、本当に忘れてた。
と、思っていればマリアも覚えてたらしく。
「何?……もしかして、気持ちが決まったらどうとかいうやつ?」
「なによそれ?」
『あのさぁ、アタシ、みんなと一緒に卒業できなくなった……』
すぐそこにあったカエルチョコを頬張れば、みんなは固まっていた。
『みなさーん?』
「どういうことよ!!7年生にならないわけ?」
『まぁ、そういうこと……中退じゃなくて一年早く卒業するだけ』
とうとうこの日が来ちゃったかぁ…本当は黙って消えてもいいかなって思ってたけど、それはそれで煩そうなのが一匹…
「なに言ってんのよ!?」
やっぱり、怒ってる…
「マリア、落ち着いて…アリスどういうことなの?」
『今回の研究がみとめられて、すぐにでも来てほしいって、ある研究所が誘ってくれたの』
「今すぐじゃなくてもいいじゃない!!」
『今だからいいの……一年後また必要とされるかは分からない。それに羽の研究がしっかりできる……自分の好きなことが出来る……今行かなきゃ損でしょ!!』
「だからって、一緒に卒業しない気?ねぇ!!」
「マリア、今のアリスになに言っても無駄よ」
マリア以外は納得してくれた、予想通りマリアは納得しなかったようで、黙って部屋に上がってしまった。
「黙ってたことがショックだったのよ…」
『わかってる……アタシさぁ、もう一人黙ってる相手がいるんだ』
「それって…」
『まずはマリアね』
ハーマイオニーが言い切る前に、マリアと話すため部屋に上がった……
部屋に行けば、マリアは自分のベットの上で丸くなってた。アタシは自分のベットに腰かけて、マリアを見た。
『マリア……アタシだって、普通に卒業出来るならそうしたかったよ……でもさ、夢は諦めたくないじゃない……ねっ』
“ピシャッ”
ちっ、コイツ、カーテン閉めやがった…
「……何で黙ってたのよ」
閉められたカーテンから微かに声が聞こえてきた
『…一人で考えたくて』
「一人で、ね……先生には」
『アタシからは話してないけど、知ってると思う』
「……最低ね……私、親友だと思ってたけど……」
『マ、マリア』
呼び掛けても返事は無かった。首からチェーンを取り、リングを左手にはめた。これをくれた本人はアタシの話を聞いてどう思ってるんだろう……
アタシはリングをはめたまま眠りについた
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