HIKAGE SERIES

□U
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ここはとある場所…
ほぼ全員が知らない場所…
そこを偶然見つけたのが、アリス…
1年の頃から、
勉強をする時はここと決めて…
誰にも教えなかった場所。


周りは校舎に囲まれてるが、ここ一角は中庭のミニバージョン。
午後の日差しは気持ちよく…
外だけどここちがいい。

アリスは黙々とレポートしていた…


『…!?』
(人が来るなんて、この五年間なかった…)


「そこにいるのは誰だ…」


(何でスネイプが…)
『…ファーシムです』


「ほぅ…何をしてる?」


『別に…勉強してるだけです…教授こそ外に居るなんて珍しいですね…』


「ふっ、…何故ここを知ってる?」


『一年生の時に偶然見つけたので…教授は?』


「学生時代からだ…」


『そうですか…』


アリスは再び羽ペンを走らせた…


「何をしてる?」


『月曜までのレポートを書いてるんです』


「我輩のか…毎回ここでか?」


『まぁ…あんな成績をここで出されてて悔しいですか』



「…ふっ、なわけなかろう」


『でも、毎回…Aですよね?』


「…」


スネイプが黙ってしまったので、アリスは顔をあげてみた。眉間の皺はいつも以上に深くなっている…


(…減点されなきゃいいけど)


何て思って、目線をずらすと、スネイプが持つ本の題名が目に付いた…


『あっ、それ…』


「…これか、興味があるのか?」


『いえ…もう読みましたから』


「…何?」


『その作者の名前…』


スネイプは本の作者名を見た…


「…レッジ・ファーシム…!?」


『…父です』


「何…」


『ええ、薬学界のトップですよ…』


「…貴様、やはり我輩を」


『甘くなんて見てませんよ…ただ、目立ちたく無いだけです…』


「…ふっ」


スネイプは軽く鼻で笑った。


『…で、どこか行ってもらえませ?』


「教師に向かって、その態度はなんだ?」


『ずっと、こうですから…』


アリスはひたすらペンを走らせた…
スネイプはアリスから少しイラつき離れたところに座り、本を読み出した。


『(何故そこに座る?まぁ、気にしないけど…)』


しばらく2人は沈黙のまま、
同じ場所で同じ時を過ごした。




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