HIKAGE SERIES
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本日の発表会は高級ホテルを貸し切っての開催。父の若い頃は、自宅でやってたみたいだけど。今は注目を集める研究者のため、それなりの場所でやるのだ、と言う父…
でも、そんなに金をかけなくても…
発表会は三日間。
その初日がアタシの発表日。
アタシはオープニングを飾る一つの出し物に過ぎない…
いつかはアタシも注目される研究者になりたい、と心の奥そこで願っている。
ロビーには大量な人…
一通り挨拶して回る。
特に権力を持つ人間には時間を掛けて…
だが、それも30分と持たなかった…
研究者の自慢話は飽きる。
誰が何をやったかなんて興味は無い。
アタシは集団から抜け出し、入り口付近に避難した。一通りの客人が集まり、もう来るお客は少なかった。
そこに、真っ黒い人が…
『教授?』
声を掛けられた黒い人は此方に振り向いた。
「ここではそう呼ぶな…紛らわしい」
『え?…ああ』
ここは研究員が集まるところ、教授と呼ばれる人は何人もいる…
『じゃあ、なんて呼べば?』
「それぐらいは自分で考えないか‼」
若干耳赤いけど?
『ええ〜あたしわかんなーい』
ちょっとキャラを変えて言ってみれば
「やめろ、気色が悪い…」
『うわっ、ひど‼』
あってそうそう、言い争うアタシたちって…
でも、
『来てくれてありがとう…』
「お前のためでは無い、Mr.ファーシムの発表会に興味があっただけだ‼」
『ふーん、そう…そろそろ始まるからせきついてねぇ〜』
彼の照れ隠しに笑いながら、アタシは控室に戻った。
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