Kisstory(更新休止中)

□Episode.8
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【Episode.8
 〜どしゃぶりKiss〜】




ザァー・・・




崇裕「はぁ・・・」




女優が俺の元を去ってから1年。




女優が消えた日も、今日みたいなどしゃぶりやった。




こんな日は意味もなく傘をさして御堂筋を歩く。




元気にしてるやろか・・・。




俺はまだ女優を忘れられてない。




―…




女優『崇裕っ♪』




ちゅっ




崇裕『なに急にぃ(笑)』


女優『なんもなーい』


崇裕『なんもないんかぃっ(笑)』




あの頃は幸せやった。




女優『なぁ・・・あたしら、ずっと一緒やんね?』


崇裕『当たり前やん』


女優『良かった』




あの頃は当たり前のように女優がいた。




女優『崇裕・・・好き///』


崇裕『俺も・・・好きやで』




夜も離れず寄り添って眠ったし、




女優『おはよ』


崇裕『おはよ』




朝も女優の隣で目覚めた。




なのに・・・




女優『崇裕』


崇裕『悪い後にして』


女優『・・・ごめん』




いつからやろう・・・




女優『崇裕・・・』




女優が笑わなくなったのは・・・。




―…




崇裕「女優・・・」




待受けの女優は、俺の隣で満面の笑顔。




女優『崇裕ーっ♪』




今にも俺を呼んでくれそうや。




見慣れた橋にはたくさんのすれ違う傘。




無意識に女優の姿を探す。




そして今日・・・




崇裕「・・・っ!」




俺は確かにこの目でとらえた。




崇裕「女優っ・・・」




幻・・・?




崇裕「女優っ」




幻でも構わない。




人混みに紛れて消えてしまうっ・・・




崇裕「女優っっっ!!!」




俺はありったけの大声でその愛しい名を叫んだ。




女優「崇裕・・・?


崇裕っっっ!!!」




ダッ




想いが通じた瞬間、




俺も女優も傘を放り出して走っていた。




崇裕「女優っ・・・」




ぎゅうぅぅぅっ・・・




ザワッ




ざわめく群衆とどしゃぶりの雨の中、




俺らは空いた時間を埋めるように長く深いKissを交わした・・・。




end...
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