桜な君達
※学園内の木について捏造有り、夢主の名前デフォルト
この学園のあちこちに植えられている木は色々な種類がある。
例えば学園長先生の庭には松、その少し先には梅。裏門の方には楓。そして私の部屋の窓から見えるのは、桜。
私は中でも、桜の花が一番好きだ。
やっぱり春が来たという感じがするし、秋のように哀愁感漂うものではなく、華やかなイメージがあるからで。
そよ風に揺られて、桃色の花弁一枚一枚がひらひらと舞い落ちる。時には強い風で煽られて豪快に散っていく様も良い。
そんな光景が見たくて、毎朝欠かさずに見ていたのだけど。
「……」
はぁ、と小さく肩を落とす。
「りんさーん」
「こんにちはぁ!」
不意に聞こえた声に、ぴくりと体を揺らして顔を向ける。そこにはは組の乱太郎君、きり丸君、しんべヱ君がいて、にこにこと笑っていた。
「今日は。何か用かな?」
「んーん、特に用事ってワケじゃないんですぅ」
「りんさんと一緒にいたいなって、乱太郎としんべヱがうるさいんすよー」
「ちょっと、きり丸だってりんさんに会いたいって言ってたじゃない」
「だあっ、乱太郎、余計なことはいうなよ!」
きゃんきゃん言い合っている三人はとても仲が良さそうだ。私はクスクス笑いながら押し入れに近付いて、中から三人分の座布団を引っ張り出す。
「会いに来てくれて嬉しいよ!なんにもないけどゆっくりしていってね」
「「わーい!」」
「ったく、もおっ」
私も自分の机の側から自分の座布団を引き寄せて、そこに足を崩して腰を落とした。
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