夢うつつ
□第三話
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銀「そんじゃ行くか」
『うん』
松「お待ちなさい。その格好では目立ってしまいます」
言われて、改めて眺めてみる。
『確かに、皆着物なわけだし制服は…血もついてるしなぁ』
松「晋助の着物を貸してあげてはどうでしょう」
晋「何で俺なんだよ」
銀「そりゃおめぇ…」
桂「高杉が一番小さいからだろう」
晋「何だとコラァ」
今にも取っ組み合いが始まりそうなのに、何だか微笑ましい。
銀「笑うとこか?」
『…仲いいんだなぁって思って…何か嬉しくなっちゃった』
銀「…は?」
『えへへ』
笑ってごまかすと、銀さんは呆れたように笑みを浮かべていた。
晋「ったく、仕方ねぇな…ついて来いよ海琴」
『うん!』
いつの間に争いが収まったのか知らないけれど、高杉が着物を貸してくれることになったようだった。
─────‥‥
晋「…ほら」
『ありがとう』
晋「…あっちで待ってる」
『うん』
高杉が出て行ってから思う。
『着物なんて自分で着たことないけど、温泉の浴衣みたいな感じでいいかな…』
制服を脱いで、高杉が出してくれた着物を羽織り、帯を結ぶ。
『まぁ…制服よりはマシか』
我ながら呆れた着付けだが、それなりに様にはなっているのを確認し、皆のもとへ戻った。
*