夢うつつ
□第ニ話
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『はぁ…助かった…』
「お嬢さん、どうしてこんな所に?この辺りは危険ですよ」
その人は腕の止血をしながら問い掛けてくる。
『あ、えっと…あたしにもよく…。あっ!あの、助けてくれてありがとうございました』
「このくらい何でもありませんよ。お嬢さん、お名前は?」
『海琴です』
松「よい名ですね。私は吉田松陽、ここで会ったのも何かの縁。うちへ来ませんか、その腕もきちんとした手当が必要でしょう」
『(吉田松陽!?)』
松「どうしました?」
『あ、いえ…』
松「では、行きましょう」
『(天人の次は松陽先生出てきたアアァァァ!!)』
内心絶叫しつつ、松陽先生に連れられ歩き出した。
―――――‥‥
松「さぁ、中へ」
『はい…』
「先生、どこ行って…誰」
家の中へ案内されると、すぐに少年が顔を出した。
松「銀時、救急箱を」
銀「救急箱?…あぁ」
『(ちょっと若いけど、銀さんだこれ…あたしと同じくらい、かな…)』
松陽先生とか若い銀さんとか…自分の想像力に驚く。
銀さんは腕の怪我を見て納得したらしく、部屋を出ていった。
*