笑顔の仮面
□第五話
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───コンコンコンコン…
『ん…』
ドアをノックする音に目を覚ます。
目覚めたばかりでボーッとして、ドアの向こうの気配が読み取れない。
───ガチャ…
「おはよう、朝の運動でもどう?」
『運動って…』
爽やかな笑みを浮かべ立っていたのは神威だった。
『遠慮するわ』
威「あれ、テンション低いね。もしかして珠李って朝弱いの?夜更かししてる風でもないのに」
『別に弱くないわよ』
事実、朝は強くはない。
大きな影響はないものの、眠気が強く身体が重い。
軽い弱点ではある。
威「じゃあいいでしょ?朝食まででいいから。ね!」
『だから私は貴方と殺り合う気は…』
威「ちょっとした運動だって。少し組手の相手をしてくれればいいだけだよ。それとも、やっぱり朝は弱い?」
『そんなんじゃないわ』
威「じゃあいいよね?ここで待ってるから、早く準備してきてね」
一方的に話を進め、神威はドアを閉めた。
普段なら軽くあしらえたはずなのに、眠気で判断力の下がった今の珠李は、むきになってしまい言われるままに支度を始めた。
『…。』
威「やっときた。さ、行こうか」
『行くってどこに…』
威「誰の船だと思ってるの?戦闘場がないわけないじゃないか」
珠李がついてくるのを確認し、神威は足を進めた。
*