恋人はミュージシャン
□Last Lovestory
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『Last Lovestory』
〜〜プロローグ〜〜
俺とりぃが恋人同士になって、半年が過ぎた
いつも隣にある笑顔
腕の中にある温もり
手を伸ばせば、しっかりと握り返してくれる小さな手
初めて君を見た瞬間
本当に『運命』を感じたんだ
あの日、屋上で俺が言った言葉
りぃは覚えてる?
────『きっと俺の赤い糸の相手は君だと思う…
だけどその先を見ようとすればするほど、霧が濃くなって見えなくなっちゃうんだ』────
違う
俺は沢山の大切な人を失ってから
赤い糸の先を見ようとしなかったんだ
その先を知ってしまったら
もう引き返せない
もう、大切な人を失うのは懲り懲りだから
だったら始めから大切なモノなんて持たなければいいって
赤い糸の先に、自分で霧をかけた
だけど
りぃはそんな霧をもろともせず、俺の心に正面から向き合ってくれた
りぃは
俺の前に現れた
たった一つの希望
こんなに幸せで、穏やかな日々が過ごせるなんて
彼女に出会う前の俺には
考えられなかった
そんな、愛するりぃの誕生日があと1ヶ月と迫って来ている
特別な彼女に
特別な誕生日の想い出を
君が産まれてくれた日を
俺達の新たな始まりの日にしたい
一生忘れられない
最高の1日に─────
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