銀魂
□マダオ式誕生日の祝い方
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大好きなお友達のくまさんに捧げるHAPPY BIRTHDAY小説
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また仕事をクビになった
ひとみに何て言ゃいいんだ…
バツイチ・無職・何をやってもダメ
前妻ハツを引きずって、なかなか前に進めなかった俺に
「無理して忘れる事ないんじゃない?」
そう言って、太陽の様な笑顔をくれた彼女
その笑顔を見た瞬間
長く辛いトンネルを抜け、やっと前に進めた気がした
彼女とは、俺が銀さんとよく行くスナックで知り合った
無邪気で
ユーモアで
そこにいるだけで皆が明るくなる
そんな彼女を指名し続け
酔った勢いでプロポーズ
本当なら素面の時に、ちゃんと言おうと何度も練習してたのに
いざとなると酒の力を借りないと言えなくなった俺は
べろんべろんに酔っぱらい
目覚めると同じ布団で眠っていた
(酔いすぎて未遂で済んだが)
そんな、まるでダメなオッサン、略してマダオな俺と
迷いなく再婚してくれたひとみ
今日はそんなひとみの誕生日
それなのに……
俺はようやく任されたウエ○ト焼き肉バイキングのお店をクビになってしまった
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さかのぼること1時間前──────
「さぁ!みんな食ってくれ!今日は俺が店長(雇われ)になったお祝いだ!」
神楽「グラサンついにやったネ!これでマダオじゃなくなったアル!」
銀時「良かったな店長(雇われ)!よぉし!神楽、新八!今日は食って食って食いまくれ!」
新八「長谷川さん店長(雇われ)就任おめでとうございます、それじゃぁお言葉に甘えて、いただきます」
────────ここまでは良かった…
ここまでは……
それからこの3人は親の敵と言わんばかりに食いまくり
店にあるほとんどの肉を平らげてしまった
まぁ、3人はお客だし、金もちゃんと払ったから問題はない
問題はその後だ────
神楽「あれぇ〜何か火が弱いアル、全然焼けないネ!」
ガツンガツン!!!
網を取り、ガスの吹き出し口を箸でつつく…
と言うか
箸を捩じ込み
ドカァァァァン!!
店は爆発
俺たちは幸いケガもせずに済んだが
当然の様にオーナーからはクビを言い渡された
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「はぁぁ〜」
公園のベンチに腰掛けて
もう何度目か分からない溜め息を着いた
「誕生日…どうすっかなぁ…」
本当なら今日は給料を握り締めて、花やケーキを買って
愛するひとみの元に、堂々と帰れるはずだったのに───
「俺はまるでダメなオッサン、正真正銘のマダオだぁ〜」
冬に向かう冷たい闇に向かって
俺は叫んだ…
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