『焔』の叫び

□昌浩君の悪戯
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「もっくーんvV」
「…何だ、昌浩。」


語尾にラブマークを付けて笑顔で駆けてくる昌浩に、物の怪は疑念の目を向ける。
その目に気付いた昌浩は切ない顔をした。


「何さー、その目は。俺の何を疑ってるの?」
「風邪での一件からどぉもな…。」
「あ、それはもう大丈夫。治ったよ。」
「違う。俺が言ってるのは―。」
「わかってマス。反省しました。」


物の怪が言ってるのは、先日風邪を引いた昌浩が暇だからと、持ち前のかわいさと黒さで十二神将達をからかって遊んだのだ。
そして目の前の物の怪もその犠牲者の一人。
それから、また同じことがあるのではないかと、やけに笑顔の昌浩には注意するようにしたのだ。

「もう懲りたよ。元気になってから白虎に注意されたからね。」
「ああ、俺達が頼んだからな。…三刻ぐらいされてたな。」
「うん、もう白虎の注意は受けたくないよι」
「ふむ、本当に懲りたようだな。」
「…。(なーんてねV)」

実は注意を受けたのはたった半刻程で、その後は「面白かったぞ。」と、なぜかお褒めの言葉を頂き、次はあーだのこーだのと会話を弾ませたものだった。
しかも、コツまで教えてもらった。以外と白虎も乗るクチだ。

―…そして今回は、そのコツを利用しますっ!
ありがとう、白虎!
約束通り、後で報告するね!


「…どうした昌浩。」
「ん?…反省に浸ってました。」
「…?そうか。」
                  
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