『焔』の叫び

□ほのぼの家族計画!
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これは昌浩が、やっとまともに喋れるようになった頃の話…。


「紅蓮ーvV」
「どうした、昌浩。」
「遊ぼー!」
「ああ、いいぞ。」
「やたーっ!!じゃ、鞠投げー!」


小春日和とはまさにこのような日。紅蓮は昌浩のお守りをしていた。お守りと言うと子供過ぎるかもしれないが、実際この頃の昌浩は知恵がついて、あっちへフラフラ、コッチへふらふらと、危なっかしくて目が離せないのだ。
…とか言ってる間にも。


「昌浩!そんな所に乗るな。危ないだろ。」
「やー!」


と、庭石をひょいひょいと跳び渡る昌浩を紅蓮が容易く抱き上げた。まだ遊びたかった昌浩は手足をバタバタと振る。


「楽しそうだの、昌浩。」
「あ、じー様vV」
「清明。」


そこにこの安倍家の当主であり、大陰陽師である安倍晴明がやってきた。その後ろには顕現した朱雀と天一がいた。そして隠形した六合がいた。


「どうした、清明。」
「紅蓮、仕事だ。ついてこい。」
「何、俺がか?」
「うむ、この仕事はちと厄介での。」
「だが……。」


ちら…と紅蓮は抱いている昌浩を見る。昌浩はというと、見た覚えのない二人に目がいっている。
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