星の降る刻

□ウタカタノトキ
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何処までも青く青く晴れた空
まだ朝だというのに厳しく照り付ける太陽
その日俺は青く晴れた空が嫌いになった…


俺の5つ上の兄さん、いつもどんな時でも一緒だった
でもこの日からそれが変わった

「じゃあ、行ってくるからね」
軍の黒い服に身を包んだ兄さんは、笑顔で言うと城へ行ってしまった。
その後ろ姿がまるで知らない人のようで、兄さんが遠くに感じたのを覚えている

たった13歳で突然正規軍への入隊が認められたのは、兄さんにとても珍しい紋章を扱う能力があったからだと聞いた。
「ヒールの紋章」
兄さんは、負傷した人の傷を治し多くの命を救えるものだと誇らしげに語っていた。
この時兄さん自身は知っていたのだろうか、その紋章が力と引替えに何を奪うかを…





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