星の降る刻

□金森 葵 〜ED後、もしも編〜
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「……兄さんに、伝えて……
俺はただ、昔に戻りたかったたけだって……」

「ただ……昔のように、一緒に……」


そう、それだけを願って周りが見えなくなって、闇に飲まれた…
闇の中で何もかもが色を失う中で唯一鮮やかな光を放っていた存在。

支倉茜
彼女の温もりを背に感じながら、心に残る思いを口にする

「……もう少しだけ……
茜……、お前に、早く逢えていたら……」

現実にはなり得なかった、もしもの言葉に虚しさを覚えながら瞳を閉じた…


死の瞬間とはこんなにも心地の良いものなのだろうか
閉じた目の先が真っ白に光り輝き、愛しい人の温もりと酷似した暖かさに包まれて行く


「……輩、…葵先輩!」
あいつの声が聞こえて、目を開ける。
そこには俺を抱いたまま必死になって呼び掛ける茜がいた。
最期に見る幻覚くらい笑顔が良かった…などと思い、彼女の頬に手を伸ばすと、その手は確実に彼女に触れ温もりさえも感じた。
「……茜…?」
状況が掴めないまま彼女の名を呼ぶと、泣いていた顔がみるみる綻んでいく。
辺りを見れば、兄さんや他の奴等までいる。
何がなんだか判らずにいると
「ライトジェムの力ですよ」
と兄さんが言った。
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