マイソロ3

□瞬き、見えなくなった
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「あれ? クラトスさん…?」
「…お前か。見られてしまったか…」
「え…?」


夜遅く目覚めた私はなんとなくバンエルティア号の甲板まで来てしまった。そして、クラトスさんを見つけ冒頭の会話をした。


「だが、お前に別れが言えて不謹慎ながら嬉しい」
「別、れ…?」
「ああ。また会おう、サラ」


セルシウスさんすらいない静かな甲板で、風が強く吹く中クラトスさんは飛び下りてしまった。
思わず私は身を乗り出して叫んだ。


「クラトスさんっ!」


返事はなく、クラトスさんは蒼い輝く羽で何処かへ飛びたってしまった。

私、ディセンダーなのに、
引き留められなかった………



「探すなってどういうつもりだよクラトス…!」
「……ロイド、さん」
「ん? 何だよ?」
「私、クラトスさんの事…」

引き留められなかったんです、
小声で呟いた言葉はロイドさんにも届いたらしく、クラトスは何処に行ったんだよ!?と揺さぶられた。


「私にも…」
「……そう、か」


私だけじゃなく、ロイドさんにとってもクラトスさんは大事な仲間。



「クラトスさん…!?」
「俺はルークだっつーの。髮色だけで間違えんなよな」
「あ…、そう、ですよね。ごめんなさい」
「………チッ」


あの後、ルークさんをクラトスさんと間違え、


「あ、クラトスさん!」
「俺はリヒターだが」
「……すみません」


リヒターさんを間違え、
そしてロイドさんと話していたこの日、


「あ、オイサラ!? サラ!」



「……あ… クラトスさん、帰ってきてくれたんですね…」
「悪ぃけどサラ、俺はロイドだ」


ロイドさんを、クラトスさんと間違えた。


「ゼロスとも間違えたんだろ? …、そんなに、クラトスが好きか?」

倒れるほど。と呟いたロイドさんに、私は素直にうなずいた。


「そっか!じゃあさっさとクラトス見つけねぇとな!」


よし!と1人で気合いを入れるロイドさんに苦笑いを浮かべて、私はクラトスさんを思った。





―――

この話のロイドは別にサラさんに恋愛感情を抱いている訳ではない……、と思う



11.09.02
 

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